『これからのリフォーム事業の施工管理の在り方とは?』〜Vol.3 〜

前回のコラムの出口は、販売業として粗利を追いかけるゆえ、直接原価部分だけに執着してしまう事で、自らのサービス価値、つまり【営業利益】を低下させてしまう事をお伝えしました。

特に営業利益を意識する為には、乾いた雑巾を絞るような直接原価ばかりに目を取られずに、販管費等の費用面と間接原価に着目する必要がある事を強調しました。

***

第3章では、特に費用や間接原価というものが施工管理という役割にどれだけ生産性と密接な関係があるのかに触れていきたいと思います。

生産性向上というものが、業務効率化とついつい混同してしまうケースが見受けられます。自らが生み出す付加価値に対して生産性を上げる為の業務効率手段という考え方で、業務改善を検討していく必要があると言えるでしょう。

まず生産性と業務効率化の関係を紐解いていきましょう!

自らの付加価値とは、粗利と言った方がわかりやすいかもしれません。
その生み出す付加価値からサービス価値を上げる為に、生産性向上のフレームワークと業務効率化を両輪で推進していく流れとなります。

その推進をしていくには、契約から着工までのタスク、そして着工から竣工までのタスクと大きく2つのタスクに分かれます。
この2つのタスクにおいて、住宅を製造するという事業目的であるリフォーム会社にとっては、着工前管理と、着工後の施工管理の2つがキーワードと言い変えてもいいでしょう。

***

業務効率化とは、業務の無駄をなくすことで効率をあげる活動を指します。
わかりやすい例としては、

□付加価値(=粗利)の増加に寄与しない残業を減らす
 • 無駄な会議の人数や回数を減らす
 • 面倒な書類提出をオンラインでの簡易なやり取りに置き換える

などが考えられます。効率化の結果として、より素早くユーザーのニーズに応えられるようになり付加価値の増加や、労働時間の減少、労働生産性の向上につながります。

また、社員にとって不得意で効率が悪い業務を無駄と捉えれば、

 • 人員配置を柔軟にして適材適所にする
 • 社内に適任者がいない業務を適切な外注先にアウトソーシングする

といった活動も業務効率化といえるでしょう。
それによって提供するサービスや住宅の質が向上すれば、顧客が増え、結果として利益が上がり、労働生産性が向上するという流れです。

***

一方、生産性向上のフレームワークとして、大前提は上記の業務効率化を徹底して推進し、棚卸しする事です。特に媒体として、ITツールなどを利用する事も有効でしょう。

それ以外には、若い社員などのスキルの浅い社員でも活躍できる仕組みを作る事です。
これはシングルタスク化であり、棚卸しした業務や役割をシンプルに明確化した上で、難易度に合わせた人材配置とキャリアアップにも合わせて仕組む事が重要です。

このように記載した内容を眺めてもらっても、全て直接原価には全く関わらない内容である事は既にお気づきだと思います。

つまり、サービス価値向上のポイントは、ほとんどが社内リソースや社内業務フロー、そして社内管理体制によって引き起こすものであると自責で解釈すると、更なる業務改善が進む事になるでしょう。

***

ここでリフォーム会社のサービスは住宅を建てる、リニューアルするという製造事業ですので、それを成す為のシングルタスクとしての役割を棚卸しし、シンプルに分解することから始めます。

まずは、設計図書精度、また図書から導かれる原価管理、受発注管理、納材管理、それを製造過程まで正しく情報共有していく為の情報管理、更にはその案件を製造していくスケジュール計画である工程計画の5つのシングルタスクを、着工前にどれだけ精度高く効率的に実施できるかの改善から始めます。

これは、8割近い影響がある社内業務ですので、最高の引き渡しを実現するために、ここはベテランのスタッフを中心に妥協せず改革される事をお勧めします。

次に、クレームが多い工事期間の業務改善です。

これは、基本的に工務部門を中心に、しっかりと事前計画通りに施工されているか?をシングルタスク的に管理することが重要です。品質管理と安全管理、そして環境保全の3つの役割をどれだけ精度高く、工程通り、予算通りに進められるかで、最高の引き渡しができるかにつながります。

この3つの役割こそ、キャリアの浅いスタッフやきめ細かな気遣いのできるスタッフなどが向いているでしょう。

***

非常にハードルが高いと思いがちですが、誰にでもできる評価基準や項目、そしてわかりやすいマニュアルや動画などを完備し、OJT教育を含めて回していける仕組みを作ることがポイントとなります。この辺りのアウトソーシングも効果的だと思います。

またこのようなキャリアを踏む事で建築を徐々に理解し、改めて原価管理などへのキャリアアップへの挑戦が出来るような人材育成プランなどが有れば、最高にやり甲斐ある職場環境が実現できるに違いありません。

特にリノベーションや増改築を目指すこれからのリフォーム会社は、販売業と捉えてはなりません。

サービス価値を最大化させる業務改善には、全て建築知識が関わるタスクであるだけに、建築事業という認識からサービスを展開していく必要があります。

これからの施工管理の在り方は、「段取り八分!」着工前管理の在り方で大きく左右すると言っても過言ではないでしょう。
その為にも出来るだけ建築知識や施工管理の学習基盤を社内で充実させ、建築会社としてのキャリアアップとリソース強化を最優先していく時代が来たようです。