コロナ禍で引きおこる職人との情報共有の懸念

 コロナ禍で職人との接点機会が少なくなることで、最近では正しい情報伝達に歪みが生じ、製造現場でのオペレーションに問題が出てきているようです。

 従来、定期的に実施していた安全大会や協力業者会の未開催に始まり、各物件の着工打ち合わせにまで未開催に至っている事が大きな要因の一つでしょう。

 特に着工前打ち合わせの未開催の影響は大きく、従来でも職人依存型管理体制が蔓延している中、せめてもの事前確認の場であったはずが、その接点も止むを得ず機会を損失してしまっているようです。

 一方、クラウドツールを積極に取り入れているビルダー様も数多くなり、このコロナ禍の中、利用する事で逆に利便性が良く、施工管理が上手くできていると仰る人達も少なくありません。

 このような対局の意見を聞く限り、どうもクラウドツールの運用の仕方でコロナ禍の建築現場の施工管理を賄えるのでは?と、一瞬勘違いするのも不思議ではありませんが、それは決してクラウドツールを導入する事そのもが左右するのではなく、クラウドツールをどのように運用していくかという目的に左右されるように思うのです。

 では、両者を検証していきましょう。

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 中々クラウドを活用できず断念したり、導入しているが上手く機能していないと仰るビルダー様の課題は一体何でしょうか?

 一番良く言われる事が、『職人が中々全員使ってくれない!』という話しを良く聞きますが、そもそもビルダー様側がどんな成果を得たくて実施していきたいのか?
 またクラウドを使って、職人達がどんなメリットやベネフィットを受けるのか?という、明確な内容をしっかり伝えているのでしょうか?
 ここは結果、使わない外部要因よりしっかり伝えていない内部要因がそもそもの課題のようです。

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 また、ある程度使ってくれているが、中々上手く運用できていない!と答えるビルダー様はどうでしょうか?

 このケースは、社内の業務フローがアナログであってもそもそもしっかり決まっていなかったり、ルールが定まってなかったりする事が根本にある事で、その状態で無理矢理クラウドの世界に業務フローを乗せ込んでも、自ずと機能しないのは当然であるように思います。

 このように導入したが上手く回らないケースでは、ほとんどが運用側の社内に課題が隠されている事がわかりますね。

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 では一方、利便性が良く、施工管理が問題なく進んでいると答えるビルダー様はどうやっているのでしょうか?
 ここも一度検証していきましょう!

 上手く利用できていると仰るビルダー様のほとんどが使っている機能は、まずどのような機能を使っているのかを見ていくと、代表的な機能が、設計図書を中心としたデータ共有です。また各工種毎の作業日報的なメッセージや写真の伝達共有も非常に使われています。

 次のステップでは、工程表の共有なども多く、工程表に合わせての材料や段取りを含めた受発注関連にも積極的に利用されている方もおられるようです。

 更に利用を深めている方は、自主検査の為のチェックシートや品質管理の為の写真UPなど、どちらかというとお施主様への出来形報告を中心に積極的な顧客満足UPに利用されているビルダー様もいらっしゃいます。

 使われる機能の深さとビルダー様が感じるベネフィットの関係は、皆さん各々の価値観として様々ではありますが、いずれにせよこの辺りがクラウドを使って行うビルダー様側の現在の運用範囲のMAXであり、逆にクラウド会社さんは更なる利便性の高い機能を開発し、そして追加装備するも、これ以上は中々現場での本質的な運用までは踏みこんでいけず、ある程度、運用側の限界が来ていると言えるでしょう。

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 ここで一つ、皆さんが気付かれているようで、理解されていない盲点が潜んでいます。

 ここが今回のポイントとなります!

 それは、現場管理ですべき本当の役割と目的が、クラウド活用の習慣化によって認識が少しずつズレが生じているという事なのです。

 これはクラウド活用を否定しているのではなく、活用すべきポイントを間違えないようにして頂きたいという事ですから、逆に間違いなく運用して頂ければ、まさしく『鬼に金棒』なのです。

 例えば、『設計図書の共有』というテーマに関して、クラウド共有という新旧図書を間違えない!全ての職人達にリアルタイムに伝達する!という事では素晴らしい媒体なのですが、施工管理の本来の目的からすると、UPされた設計図書そのものの精度が直接現場施工に反映されてしまう事を理解し、本当に精度の高い設計図書が提供されているのか?という根本的な事なのです。

 また現場の出来高をしっかり写真に収め、エビデンスを残しながらお施主様にクラウド上で進捗報告するという点でも、媒体としては素晴らしい取り組みだと思うのですが、施工写真をエビデンスとして残す事が品質管理の本来の目的ではなく、自社の施工基準にしっかり適合しているのか?そして万一適合していなければ、確実に是正して改善したんだというエビデンスを残す事の方が、品質管理において一番大切な仕事だという事です。

 特に自社チェックシートまで運用をされている熱心なビルダー様ですら、チェック項目にただただ○をつけ、写真を撮るという作業に至り、自分達はしっかり品質管理をしていると勘違いしてしまっているビルダー様も少なくありません。

 このように、『目的』と『手段』の使い分けをしっかりと理解し、運用さえすれば、実は素晴らしい施工管理ツールとして運用できるのです。

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 施工管理でのリモート化のポイントを最後にまとめると、本来現場ですべき役割に特化し、ここを徹底的にリモート化することを考えていきましょう。

 現場ですべき役割とは、品質管理、安全管理、環境保全の3つです。

 その他の原価管理や受発注管理、そして工程管理等は現場のリモート化ではなく、着工前に全て完了しておく為の徹底した社内改善作業にあります。

 そして、現場ですべき3つの役割のリモート化のポイントは、職人達を含めた現場スタッフの共有浸透を一気に加速させる事が大切になります。今や現場スタッフとの共有浸透が図れない環境下の中、利便性かつ効果的な共有浸透手段を模索し、ここに焦点を絞って取り組んで頂きたいのです。

 きっとここをしっかり取り組んだビルダー様とそうでないビルダー様の施工品質や現場環境のレベルの差は、やはり決定的なものを生み出すに違いありません。

 コロナ禍で受注をしたお客様の生涯顧客化は非常に難しいと思われます。だからこそ、施工管理全体での精度が素晴らしい引き渡しを迎えれるか否かの分かれ道となりますし、顧客満足度を如何に引き上げられるか?そして、自分達の生涯顧客と成せるか?に繋がる大きなポイントとなるでしょう。

 

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