「空前絶後のパンデミックと闘う住宅業界」

今日本は、いや世界は、新型コロナウイルスという空前絶後のパンデミックに取り巻かれています。住宅産業のみならず、全ての産業で働く沢山の人々がウイルスに感染し、またそれを回避する為に人間が生み出す様々なエネルギーを減速させています。

この状況は、以前経験したリーマンショックという金融危機とは全くレベルの違う「ヒト・モノ・カネ」全てにブレーキが掛かり、世界経済そのものを硬直化させ、さらに終息が予期できない未来の不安までを想像以上に掻き立てている恐ろしい事態であることに違いありません。

このような現実のマクロ状況を踏まえて、やはり住宅産業という枠組みから、一企業というミクロでの経営不安にまで影響し、今までのように「働く」という当たり前の環境を覆し、「生きる」という危機環境にまで迫られている事が、何より人々は恐怖に駆られているのです。

その中でも住宅産業は、不動産売買や建築請負など、一回性産業でありながら、人生で最大の高額な消費を提案する崇高な産業であるだけに、過去どんな時代でもやはりユーザーの購買意欲の低下というマイナスのムード感そのものが、一番ジャブのように効いてくる危機要素であると言われます。

消費者自身の安全に対する不安や社会に対する不安を抱えている現在では、基本マズローの欲求の5段階の心理的行動を引用すれば、到底自己実現の欲求にまで至らない事が明らかです。

つまり、今までのような金利、性能、コスト、仕様などといった比較メリットを前面に出す提案ではなく、今決断しなければならない必要性を如何に理解してもらったり、又こんな時期だからこそ豊かに暮らすという神秘性を実感させたり、そして当たり前に安全に暮らす大切さを、今一度大切に振り返っていただける論理的な提案が必要ではないでしょうか?

少なくともテレワークなどの在宅業務に切り替わる企業も多い中、改めて家族との絆や、生きるという大切さを実感されるご家庭も多い訳ですから、このピンチをチャンスに変える仕組みと、勇気を出して肩を叩いてあげる器量や公正な倫理観が、この難局を乗り越える業界の経営だと思っています。

具体的に、今決断しなければならないきっかけとは、ユーザーの生活の中心にいる子供達の成長ラインが変化する入学、進学などのタイミングはもちろん、このような時期だからこそ、優秀な職人が出揃い高品質な家づくりが実現出来る価値あるタイミングであることなど、今まで本当に裏方で真面目に貢献して頂いた職人様を優先的に起用するなどの格差を見い出せる唯一のチャンスである訳なのです。

また、本当の安全な暮らしや、快適な環境を実感される時期だからこそ、横並びのモノづくりから、一歩抜きん出る本質を具現化する事で、今や希少な製造に対する実力ある会社こそが魅せ付ける良い機会ではないでしょうか?

このパンデミックという天の悪戯は、何を今、我々業界に訴えかけているのだろうか? この命題を紐解くポジティブな一つの考え方として、きっと何かの選別であり、何かを乗り越える為の見極めであるに違いありません。また、今まで忘れかけていたものの不始末か、住宅事業者として大切な忘れものをしていたとしたら、それはきっと過去から逃げ出していたものであり、きっと胸の内で理解している事なのかも知れません。

このパンデミックという空前絶後の事象に対する解答や成功の方程式など存在せず、我々が今やるべき知恵と工夫を凝らす事と、そして今まで培ったリソースを最大限に生かす事の2つを信じ実践する事が大切だと思っています。早い終息を信じながら、終息した暁には一気に挑戦していけるエネルギーの充電期間として、もし未来を信じるなら、何よりしっかりと今こそ学ぶ機会を作ることなのではないでしょうか?