職人の地位向上の確かな一歩は、営業の売り方に隠されている

2018年8月くらいから、予定している建築案件の現場施工の工期が、非常に違和感を感じるくらい遅れるようになってきた。住宅産業全体をみてもあまり好調ではなく、全体的にジリ貧に感じるのは私だけなのであろうか?

西日本エリアでは、9月の風害でエクステリアや屋根工事の復旧対応過多で新築を止め、OBのお客様を優先的に対応されてい たような流れも多く見受けられた。またこのような特需を除けば、積極的なリフォーム受注もここ最近、大きな伸びを感じることも少なくなってきたのではないだろうか。しかしそれでも今、職人確保に大変な労力を注ぎ、仕事を回しているビルダーの現状は否めない。そんな中で、今、職人に対する目の向け方に気付くビルダーの営業マンが少しずつ増えて来たのである。そんなマインドの変化が、実は将来の会社の成長を大きく左右するきっかけになるとは誰も想像していないだろう。

とある九州のビルダー様の事例を挙げてみよう!年間100棟を超える受注から、既に現場は崩壊していた。何故ならば、現場監督も沢山離職し、今や営業担当が2日に1回、現 場に訪れないと自分が販売したお客様に申し訳ないという気持ちで、技術素人ながら職人さんと会話をする日々。

ある営業責任者が言った言葉は、『職人さんがこんなに頑張ってくれている事を何故、長年気付かなかったんだ!』だった。しかも定期的に現場に足を運ぶ度に、親切に打ち合わせの対応をしてくれたり、色々な技術話や苦労話しを教えてもらえることで、こんなに頑張ってくれている職人さんのことを我々営業がしっかりとお客様に伝えていかないといけない使命感に駆られていくのだと言う。そして営業こそ、少なくとも建築現場という環境にしっかり触れてから販売業務に向き合わないと、間違った価値観でお客様に家づくりを提供してしまうのでは!という懸念まで出てくんのだとしみじみと語るのである。まさしく、我々は職人さんにいつも救われている事に気づいたに違いない。

結果、我々NEXT STAGEの施工品質監査サービスも全棟ご導入された。しっかりとした職人さんの仕事を可視化し、そしてお客様にその仕事の熱い中身をリアルタイムに届けてあげたいから。お客様へしっかり費用を頂ける価値創造を、営業が今、挑戦して行かなくてはいけないことだから。その営業責任者さんからは、『とにかく、早急に営業マン研修会を開いて欲しい!』との積極的な提案が上がってきたのであった。

我々からしても、こんな自発的思考が今の営業環境から上がってくる事がたまらなく嬉しいし、職人さんの仕事の価値を顧客へお伝えようとする考え方こそが、専門技能を持つ職人さんのマインドに火をつけるのだと思う。

価値向上というステージまでの道のりはまだまだ長いが、確かに営業が発信する顧客満足への価値提供で、それに伴う単価への転嫁が生まれ、職人がプライドを発揮できるやり甲斐とこれからの自信につながる進化を導くのである。やはり顧客への一番の接点である営業スタッフが、『現場という利益の源泉』に対して敬意を持つという考え方に気付くことは、間違いなくこれからの職人さんの地位向上に向けての確かな第一歩なんだと確信している。