『加速する第三者検査の目的を明確にする』

今や消費者クレームが前年比減少することがない住宅業界。着工数が年々増加する訳でないのに、消費者からのクレームは増加する一方です。

逆にビルダー側の施工管理面での課題増加に対し、第三社での検査ニーズも加速的に増えていることも顕著に伺え、ユーザーへの付加価値という認識からスタンダード価値へ変わりつつあることも言えるでしょう。
そもそも施工管理面での課題には一体どのような要因が挙げられるでしょうか?

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我々NEXT STAGEでは、現場環境、経営思考、学習環境の大きく3つが挙げられると考えております。

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まず第一に現場環境の要因です。
この要因は、職人や現場監督の人員不足とスキル不足による課題に押し付けがちなのですが、実は住宅の規格化がここまで進んできても施工管理における1つ1つの仕事の目的が明確にされないまま個人的な作業化が進み、人的依存型のプロジェクトマネジメント手法で繰り返し管理することに打開策が、中々見いだせないというメカニズムです。

これではいくら施工管理アプリ等を使っても仕組みでの改善に繋がらず部分最適化に留まり、全体最適化に踏み出す為のプログラムマネジメント手法に転換されないという体系的な課題が根底にあると言えます。

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第二には経営思考です。
住宅事業を経営するには本来2つの視点での大戦略が必要となります。
一番重要視される営業戦略には、最近ではメディア戦略やマーケティング戦略と兼ねて新しい顧客獲得やファンづくりの仕組みを体系的かつ効率的に検討し、皆さんチャレンジされていますが、これについては非常に素晴らしいと感じています。

しかしながら、この様な営業戦略レベルと同じくらい高いレベルで製造戦略を練らない業界思考が実は課題であり、むしろ製造戦略の方が営業戦略より難易度が高く、また達成すべき効果も本来絶大なのです。

また、易度が高い理由には、製造戦略には4つの戦略骨子を精度高く推進しないといけないことが、難しいとされています。

ついつい施工品質だけの戦略だけに偏り過ぎますが、そもそもの規格住宅の基盤となる企画品質、設計品質、維持管理品質の4つの視点から戦略を練り、しっかりと管理を推進していく必要があるのです。

例えば、現場で発生する不備の要因の約3割が設計図書の記載や不整合にありますが、この設計監理を本来の工事監理とどのように一体化させ、精度を上げさせるのか?

また、維持管理については引渡し後のアフターサービス感覚から、本来の商品開発の魅力度アップの為の企画品質向上へのリサーチにどれだけ反映させるのか?

そして施工品質ではやはり品質基準をしっかり策定し、同じモノサシで誰でも管理できる仕組みを体系化することが大切になるのです。

今後は是非各々にしっかりとしたKPIの設定を行い、ロジカルな思考で統制して頂きたいと願っています。

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第三として、学習環境です。
これはどれだけ営業や製造の仕組みがあっても、スタッフのやり甲斐や専門スキルの向上という部分では、日々の業務経験に依存させていては全く進化しません。
更にはモチベーションUPや業務改善にも寄与せず、住宅会社としてのリソースの弱体化に繋がる事も言えるでしょう。

その為には技術会社としての専門スキルを社内で定期的に掬い上げる学習環境整備が非常に重要なのです。

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このように、住宅事業の課題というものをクリアしていく為には具体的なKPI設定を達成していかねばなりません。
従って、自社の製造環境を常に分析し、改善活動に繋げられる外部パートナーとしての第三者という役割をそろそろ明確に位置付けて行く必要があるのではないでしょうか。

ただ施工不備をチェックしてもらう為の第三者機関では、これも部分最適化の延長上でしかありません。

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自社の品質基準の設定からモノサシリスト策定。
また、策定されたリストの評価から分析までを一貫し、底辺として学習環境を後押し出来るパートナー選びとして、今後しっかり検討していく時代がきたと言えるでしょう。

『リフォーム産業界に建築技能強化の風』

リフォーム産業界において、やっと建築技能強化の風が新たに吹き出してきた感じがします。

これには沢山の理由がありますが、そもそもクレームが多い業界だけにしっかりと会社全体の技術スキルをあげなければならないという従来の品質改善の流れと、またリノベーションを中心とした増改築物件受注に伴う建築知識の強化も理由の1つです。

特に地域で成長している大型リフォーム会社を中心にこのような動きが出てきており、成長する業績からも新卒雇用に力を入れ出し、それに伴い社員に対してしっかりとした技術的人材育成基盤を作り上げることが急務な環境になってきた事も加速させる理由になってきているようです。

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リフォーム業界は新築をメインとする建築業界とは少し業界構造が違います。

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建築業界は、どちらかというと棟数規模によるセグメントとなり、商品戦略や販売戦略も違って来ますが、リフォーム業界は施工範囲によるセグメントとなり、大きく2つに分かれるのです。

1つは『小単価×数量』を求め、老朽化する機器の取り替えを中心とする機器交換や、クロスやフローリングの張り替えなど、機能的な快適性を向上させる機能改善リフォーム群と言えます。

この企業群は、どちらかというと建築知識がなくとも短い期間でメーカー施工や外注施工を中心に委託し、販売取次業務に近い事業形態で数を回す事から、如何に集客、販売に特化することを戦略に掲げて進めていきます。

一方、環境的な快適性や住み心地を求める性能改善リフォームや、ライフスタイルの改善をする増改築などは、構造躯体を中心に主要構造に携わることから住宅そのものの耐久性に関わる建築事業群となり、ある一定の工事期間をマネジメントする施工管理能力や、既存状況を把握できる建築知識を要する難易度の高い高額な事業となります。

このような系に分かれるとはいえ、ついつい少しでも売上を効率的に上げていく為には高額リフォームへ安易に手を出してしまうリフォーム会社もあり、結果、完工して残す利益よりも、残る不具合が大きく、何より充分な顧客満足を得ることができない状況から、むしろこの高額リフォーム群の仕事をしっかりやれる企業自体が、かなり希少な領域だと言えるでしょう。

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今後の人口構造から世帯が減少し、住宅が余る時代となります。

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空き家対策などの社会現象もその1つの現象です。

従ってこれからの不動産流通もただ土地を転がすだけでなく、リノベーションを施してから再販にかかるニーズも増加し、なおさらそれを手掛ける事業者も希少となれば、それをやり遂げるリフォーム会社こそが完全なる付加価値になることに気づいてきた企業が増えてきた事が、今、建築技能強化の風が吹き出しているのかもしれません。

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リフォーム業界には、販売、集客といった販促だけで7兆円近い市場規模まで拡大してきた今日ですが、10兆円を目指す国策には、これから既存住宅の適切なリノベーション提案と正しい建築技能の確立が不可欠になっていく時代です。だからこそ、技能向上への探求と学びが会社経営においての最重要課題の転換になるに違いありません。

そしてリフォーム業界の売上の過半数は、大手メーカーの子会社化されたリフォーム事業者でシェアを締める業界だけに、大手に負けない技能特化こそがこれから地域で打ち勝つ戦略の本丸となるでしょう。

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一方地域では、新築をメインで供給している地域工務店との競合化がさらに加速することで、地域工務店の維持管理への課題解決も裏側では拍車が掛かると言えます。

地域工務店の再受注率UPの為の努力が実るのか?それとも販売力一辺倒で進めてきたリフォーム会社の思考転換による技能向上が実るのか?という未来の勝負が、更なる住宅業界全体の品質管理の底上げに繋がる素晴らしい構図であることを期待したいと思います。

『言葉と文字』の概念がDX化を促進させる

今、建設テックも非常に勢いを増しており、施工管理に関するマネジメントツールも沢山登場し、大きく普及してきました。恐らくLINEのような簡易的なチャットツールから取り上げれば、皆様の会社でも何らかのツールを採用されているのではないでしょうか?

そのような環境下で、今月は『言葉と文字』という原始的な視点が、実はDX化を促進させる鍵になるという事を少し紐解いていきます。

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『言葉と文字』という今回のテーマは、実はDX化においてもこの思考を整理しておけば、ツールを非常に効果的に利用できたり、利便性高く運用できたりします。

つまり目的思考を発展させる事が非常に大切であるという要点を体感できる事に気付いて頂ければ幸いです。

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それではまずは、逆の視点から考えていきましょう。

これだけの素晴らしいITツールが普及しているのに、何故上手く使いこなせないのだろうか?また、これだけのサービス機能が充実しているのに、何故一部の機能しか使えないのだろうか?

更に言えば、住宅業界の生産性が20年間で1%しか上昇していないのはどうしてなのだろうか?実はこれら全ての考え方は同じことなのです。

その原因は、ツールを基盤に仕事を手順化しているからなのです。本来、やるべき仕事にツールを手順化【セットアップ】させなければならないものが、全て逆転してしまっていることに課題があるということになります。

これは目的と手段の逆転現象が生まれているからなのです。

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今回のテーマでもある『言葉と文字』は、この逆転現象に歯止めを効かせる基本思考となりますので、このテーマを少し分解していきましょう。

世の中の商品やサービス消費で、住宅は恐らく一番高単価であり、また納品に時間のかかる、生涯かけがえのない買い物です。

そんな住宅を製造する上で、20業者を超える専門技能者の取り合いによって積み上げられる集大成が家づくりと言えます。

つまり、一番大切な事は技能者一人一人の統制をどれだけ適切に実践できるかに掛かっている訳です。そして技能者は人間だと言う事です。

だからこそ施工管理統制には、人に対する『言葉』と言われるコミュニケーションと、『文字』と言われる指示や伝達の2つが、重要なアクションと言えるのです。

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さて、『言葉と文字』の特性を考えてみましょう!

言葉にはどんな特性があるのでしょうか?実は言葉の特性には、人が伝えたい深度があると言う事です。

例えば、朝から上棟を行う場面では、沢山の大工さんが高所で怪我をしないように、言葉でしっかり安全を呼びかけたり、またクレーンが近隣に危険を及ぼさないよう、環境保全を呼びかけます。

すると人は呼びかけられた言葉の深みで注意喚起がされ、瞬間の安全を保てるのです。

ただし1点、ここでデメリットもある事を覚えておきましょう。それは、持続性がないと言う事です。

深度は与えられても持続が与えられないという裏側がある事から、言葉で管理すべき内容と、言葉では管理しない内容を使い分けておく必要があるのです。

次に、文字にはどんな特性があるのでしょうか?文字の特性には、言葉のデメリットであった持続性という効果がメリットとしてあります。

言葉だけでは頭で忘れてしまったりするため、文字を書き留めることで、長く情報を保つ事が出来るのです。

例えば、工事中の玄関の高価な上り框にキズが行かないようにしっかり養生をしておいたとします。

しかしながら、長期間の工期には沢山の業者の行き来や、材料の搬入がある中で、キズを付けてしまう可能性も高い訳です。

仮にその養生材に、赤のマジックで『踏むな!』と言う文字が目立つように書かれていたとしましょう。

そうすれば、玄関を出入りする人達に常に視覚で注意喚起できる環境を保つ事ができるのではないでしょうか?

また、建物に広告用に大きな養生シートを皆さん掲げていらっしゃるのも、工事期間中、近隣に当社の家づくりを宣伝する為に文字にして近隣の方々へ長期間に渡って印象付ける為の手段だと言うことなのです。

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このように、施工管理を一環して進める中で、何を目的に成したいのか?と言う明確な主旨があるからこそ、言葉という手段がなぜ効果的なのか、文字という手段がなぜ効果的なのかという方策が後付けとして生まれてくる思考となるのです。

これから普及し続けるITツールもしかり、何を達成する為にどんな形式でどのようにフォルダに保管しておく事が有効なのか?また、何を回避させる為にチャット機能をどんなルールで利用すれば良いのだろうか?など、ツールに仕事を手順化させない目的先行型の運用が、DX化に向けて大切な考え方だという事をヒントにしてみては如何でしょう。

『今や、製造過程において 最重要課題は設計図書の改善』

2020年の全国の住宅会社の製造における社内課題アンケート結果の第2位に躍り出たのは、実は設計図書精度に関する課題でした。

この課題は当然施工品質向上への近道でもありますが、逆に難易度が高く、課題だと解っていても中々社内改善が進まないといった、今や住宅建築の最重要課題だと言えるでしょう。

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設計図書に関して表面的に感じられる課題としては、構造計算や性能に関する検討などが意識されがちです。何故かというと、最近様々な見識者からのアドバイス動画や学習講座が出始めていることから、この辺りの検討精度をやたらと執着されるようになった事が1つの要因でしょう。

当然、上記の内容はこれからの住宅供給における耐久性や耐震性の向上に向かって進化しないといけないことであり、また主要構造に関する大切な部分だけに、設計士としての個人的なスキルアップはこれから一段と避けることが出来なくなるでしょう。

しかしながら、今回の設計図書精度に関する課題には、実は上記の内容では、課題の根幹にはあまり踏み込まれていない事をここで認識して頂きたいのです。

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設計士という専門家は、先生視点での論理や概念、場合によっては経験値や主観的な理想に行き過ぎる点も否めません。何故ならば、製造前の理想と製造プロセスの現実の実態の見識にかなりのギャップがあるからなのです。

それは実際のプロセスデータ量や実践データ量が圧倒的に少ないという事と、起きてしまった欠陥事例や倒壊事例を中心に紐解いて行き過ぎるからなのです。

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では、欠陥として表面的に出ていない危険な建物はどれくらい潜んでいるのでしょう?恐らくイメージしただけでも、かなりの欠陥潜在物件が隠れているに違いありません。

そんな業界の本質の課題を、1棟でも解決できる仕組みというものに、もうそろそろ着手していかなくてはならないのです。

それでは逆説で紐解いていきましょう!

まずは仮に、最高の性能を確保できるプランニング、配置、資材スペック、仕様などがしっかりと検討され、さらに完璧な構造計算と適切なディテールが先生の力を借りて作り上げた設計物件があったとしましょう。この物件がお客様にとって、最大限の付加価値と素晴らしい引き渡しができると確信できますでしょうか?

恐らく着工前の瞬間風速では、理想に近い素晴らしい仮説的満足を得られる事は間違いありませんし、付加価値という点でも従来の建物と比べれば確かなビハインドがあることも間違いありません。

しかしながら、設計図書精度と言われるものは、設計視点での精度ではなく製造視点でどれだけ精度が高いか?という事が大切なのです。

お客様とお約束をした契約内容と完成するもののギャップを如何に埋める事ができるか、つまり、図書媒体の挑戦であると言っても過言ではないでしょう。

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ここで住宅品質に影響するリスクフローを一緒に検討していきましょう。

まず設計図書精度が低い事で、何から影響するのでしょうか?着工前準備フェーズから紐解いていくと、第一に協力業者への原価に対する影響です。

この精度によって拾い出す数量や長さなどにバラつきがでると原価に影響が生じ、実行予算粗利と完工粗利との偏差が大きくなってしまうのです。

次に着工後のフェーズでは、その原価精度の影響で、受発注管理や納材管理に影響が生じ、さらには工程管理や品質管理にも波及します。ムリ、ムダ、ムラといった時間ロス、材料ロスに大きく繋がるという訳です。

それはお客様にとって最高の引き渡しという理想には、仮にクレームがなくとも、中々辿りつかないとい残念な結果を導いてしまうのです。

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このような事を回避するためにも、以下の7つのタスクをしっかりと認識し、是非、着工前に必ず精一杯の検討に挑戦していきましょう。

  1. 設計図書の種類と各図面の不整合
  2. 設計図書の記載内容と視覚配慮
  3. 確認申請添付図面と現場実施図面
  4. 請負契約添付図面と現場実施図面
  5. 施工実現性の是非(納まり、通気など)
  6. 構造計算書と金物図や構造図
  7. 図面バージョン管理


以上の7つをしっかりと社内チェックし、工事着工に挑んでみてください。

そして竣工後フェーズにも1つ、実は大切な事があります。それは竣工図です。

今や維持管理業務は事業主にとっても大切な役割となりましたが、やはり竣工図をしっかり維持管理業務の為にも整備しておく会社は非常に少なく感じます。

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今回は設計図書にスポットを当て皆さまにコラムで発信させて頂きましたが、やはり地域産業の使命として、素晴らしい引き渡しを連続させることに意義があって、結果、次のユーザーとの新しい出会いがローテーションされて行く訳ですから、最高の引き渡しの為の製造視点での設計図書精度という思考を改めて強く持って頂き、明日からチャレンジして頂きたいと願っております。

『経営難時こそ、人を育てる環境を!』

これまでのコラムでも、人材育成について幾つか触れて参りました。

今回のテーマでは、昨年春から猛威を振るってきたコロナウイルス感染に伴って、住宅業界の経営の在り方そのものの変革スピードが急務となる中、人的リソースの依存性が高い家業体質から、仕組みで動く企業体質に抜け出したいという願望があっても、やはり足かせになるのが人を育てるという点が一番難易度の高いハードルとなっているのではないでしょうか?
難易度が高ければ高いほど、それは会社の一番のボトルネックの重要課題であり、本来は真っ先に緊急課題として取り上げ改善を行わねばならないと考えるべきでしょう。

しかしながらこのようなコロナ禍の中、思うような集客や受注、また計画している事業予算やキャッシュフローなどがおぼつない事から、このような重要課題が有る事を認識しながらも、ついつい目の前の他の課題に着手してしまい、重要度の高い課題がいつものリスケの世界へ舞い戻ってくるのです。
考えてみれば、この症状はコロナウイルスが蔓延する以前であっても全く変わらず、未だかつて社員の人的依存という課題はずっと脱却できないまま体質化してしまったと言えるでしょう。

では、何故脱却できないのでしょう?

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建築業界が人的依存体質から脱却できない要因には、会社思考基盤、学習環境基盤、そしてキャリアアップ評価基盤の大きく3つの課題があると考えます。

1つ目の要因は、会社の仕事に対する理念を基本にした思考の部分だと言えます。

自分達は真剣なものづくりを通じて社会に貢献したいのか?それとも販売量を一番にして信頼を得たいのか?またアフターサービスの充実に価値を持たせたいのか?など、会社の基盤となる考え方に共感しながら、人は育って行くという事です。

最近では工務スタッフの仕事へのやりがいが疲弊し退職者が続出したり、販売量No.1の営業マンが退職をして会社の売上に大きく影響したりすることを良く耳にします。

ここで大切なことは、『価値を与える』と『利益を得る』とがイコールであるいう方程式を原則とするならば、やはり『価値』の中身が経営理念に沿ったものでなければ、間違った価値を認識させたり、自身だけの技能やスキルの向上といった『職人化』への対価としか認識しなくなる訳なのです。これが作業化の根源です。

更に会社自体が職人化に向けてのスキルアップ作業を訓練化させてしまう事で、どうしても社員自身の価値観で仕事の対価を計ろうとしますので、その計測対価に見合わなければ人は離れていきます。

しかしながら、未来経営においての理念を価値として伝えていく教育や育成が浸透してるとすれば、簡単に人は離れていかないという訳なのです。

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2つ目は、学習環境基盤です。
これは、『目的や意味』を学ぶ社内学習環境と、『型』を学ぶ現場実践環境の両立です。

具体的な例として、初めて挑戦するゴルフというスポーツを、まずはゴルフ練習場でとにかく打ちまくる。また、上級者に言葉でレクチャーを受けるなどの練習を行ったとします。
しかし、これでは体感的に慣れ、ある一定の上達ができたとしても、これ以上伸びない事がよくあります。つまりこの状態を例に挙げると、そもそもグリップの握り方の原理原則(意味や目的)を学んでいなかった。というような根本的な要因から、間違った動きを無意識に長く反復した事によって、致命的な癖と経験値いうものがついてしまうのです。

まさしく現在の職人やキャリアの高い現場管理者は、自身の体感(型)だけで学び得た能力といっても過言ではないでしょう。

だからこそ、キャリア組が率先して謙虚に住宅建築の基礎や目的を学び直す事が今大切であり、工事部長クラスを担うスタッフのプレイングマネージャー化から、本当の教育ができる管理者へ進化すべき時ではないでしょうか?

この転換がなければ、新しく挑戦していく未来の若手には、自身の『型』から得た経験だけを押し付けられていく視野の小さい学習環境にしかならない事を改めて認識しておきましょう。

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最後の3つ目は、評価とモチベーションの関係性です。

本来、社員に対する給与や賞与は、価値を与える評価軸によって評価されなければなりません。しかし、ほとんどの会社は評価ではなく、査定となっているのです。
もし本来の会社の価値軸が改善量であれば、改善項目達成数で評価されなければいけませんし、改善質であれば、工数削減効果で評価しなければなりません。

しかしながら、会社は改善を優先思考基盤と定義しながら、クレーム回数や工期短縮日、原価率等の印象で査定されたあかつきには、社員はどう感じるでしょうか?

ここで気をつけたい事は、仮に会社のKPIでの達成者は賞与で対価とすれば良いでしょうし、改善量や質の達成者なら、『意味や目的』の達成として昇給に反映されなければなりません。

特に一点注意して頂きたい事は、昇進という判断だけは、この成果だけに留まらず、理念に沿った価値軸をどれだけ与え、責任範囲を自らどれだけ広げられたかという主体性とパッションを持ち合わせなければならないという事です。

現在の技術マネージャーが、プレイングを中心とした過去の経験値を脱却できない限り、未来の若手技術者を育てるモチベーション高き職場環境は二度と来ない事を認識し、社内改善環境を打破させる事そのものが、管理職の学習環境であると自責に解釈できる事によって、きっと素晴らしい育成環境が開けると確信しています。