『これからのリフォーム事業の施工管理の在り方とは?』〜Vol.3 〜

前回のコラムの出口は、販売業として粗利を追いかけるゆえ、直接原価部分だけに執着してしまう事で、自らのサービス価値、つまり【営業利益】を低下させてしまう事をお伝えしました。

特に営業利益を意識する為には、乾いた雑巾を絞るような直接原価ばかりに目を取られずに、販管費等の費用面と間接原価に着目する必要がある事を強調しました。

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第3章では、特に費用や間接原価というものが施工管理という役割にどれだけ生産性と密接な関係があるのかに触れていきたいと思います。

生産性向上というものが、業務効率化とついつい混同してしまうケースが見受けられます。自らが生み出す付加価値に対して生産性を上げる為の業務効率手段という考え方で、業務改善を検討していく必要があると言えるでしょう。

まず生産性と業務効率化の関係を紐解いていきましょう!

自らの付加価値とは、粗利と言った方がわかりやすいかもしれません。
その生み出す付加価値からサービス価値を上げる為に、生産性向上のフレームワークと業務効率化を両輪で推進していく流れとなります。

その推進をしていくには、契約から着工までのタスク、そして着工から竣工までのタスクと大きく2つのタスクに分かれます。
この2つのタスクにおいて、住宅を製造するという事業目的であるリフォーム会社にとっては、着工前管理と、着工後の施工管理の2つがキーワードと言い変えてもいいでしょう。

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業務効率化とは、業務の無駄をなくすことで効率をあげる活動を指します。
わかりやすい例としては、

□付加価値(=粗利)の増加に寄与しない残業を減らす
 • 無駄な会議の人数や回数を減らす
 • 面倒な書類提出をオンラインでの簡易なやり取りに置き換える

などが考えられます。効率化の結果として、より素早くユーザーのニーズに応えられるようになり付加価値の増加や、労働時間の減少、労働生産性の向上につながります。

また、社員にとって不得意で効率が悪い業務を無駄と捉えれば、

 • 人員配置を柔軟にして適材適所にする
 • 社内に適任者がいない業務を適切な外注先にアウトソーシングする

といった活動も業務効率化といえるでしょう。
それによって提供するサービスや住宅の質が向上すれば、顧客が増え、結果として利益が上がり、労働生産性が向上するという流れです。

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一方、生産性向上のフレームワークとして、大前提は上記の業務効率化を徹底して推進し、棚卸しする事です。特に媒体として、ITツールなどを利用する事も有効でしょう。

それ以外には、若い社員などのスキルの浅い社員でも活躍できる仕組みを作る事です。
これはシングルタスク化であり、棚卸しした業務や役割をシンプルに明確化した上で、難易度に合わせた人材配置とキャリアアップにも合わせて仕組む事が重要です。

このように記載した内容を眺めてもらっても、全て直接原価には全く関わらない内容である事は既にお気づきだと思います。

つまり、サービス価値向上のポイントは、ほとんどが社内リソースや社内業務フロー、そして社内管理体制によって引き起こすものであると自責で解釈すると、更なる業務改善が進む事になるでしょう。

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ここでリフォーム会社のサービスは住宅を建てる、リニューアルするという製造事業ですので、それを成す為のシングルタスクとしての役割を棚卸しし、シンプルに分解することから始めます。

まずは、設計図書精度、また図書から導かれる原価管理、受発注管理、納材管理、それを製造過程まで正しく情報共有していく為の情報管理、更にはその案件を製造していくスケジュール計画である工程計画の5つのシングルタスクを、着工前にどれだけ精度高く効率的に実施できるかの改善から始めます。

これは、8割近い影響がある社内業務ですので、最高の引き渡しを実現するために、ここはベテランのスタッフを中心に妥協せず改革される事をお勧めします。

次に、クレームが多い工事期間の業務改善です。

これは、基本的に工務部門を中心に、しっかりと事前計画通りに施工されているか?をシングルタスク的に管理することが重要です。品質管理と安全管理、そして環境保全の3つの役割をどれだけ精度高く、工程通り、予算通りに進められるかで、最高の引き渡しができるかにつながります。

この3つの役割こそ、キャリアの浅いスタッフやきめ細かな気遣いのできるスタッフなどが向いているでしょう。

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非常にハードルが高いと思いがちですが、誰にでもできる評価基準や項目、そしてわかりやすいマニュアルや動画などを完備し、OJT教育を含めて回していける仕組みを作ることがポイントとなります。この辺りのアウトソーシングも効果的だと思います。

またこのようなキャリアを踏む事で建築を徐々に理解し、改めて原価管理などへのキャリアアップへの挑戦が出来るような人材育成プランなどが有れば、最高にやり甲斐ある職場環境が実現できるに違いありません。

特にリノベーションや増改築を目指すこれからのリフォーム会社は、販売業と捉えてはなりません。

サービス価値を最大化させる業務改善には、全て建築知識が関わるタスクであるだけに、建築事業という認識からサービスを展開していく必要があります。

これからの施工管理の在り方は、「段取り八分!」着工前管理の在り方で大きく左右すると言っても過言ではないでしょう。
その為にも出来るだけ建築知識や施工管理の学習基盤を社内で充実させ、建築会社としてのキャリアアップとリソース強化を最優先していく時代が来たようです。

『これからのリフォーム事業の施工管理の在り方とは?』〜Vol. 2〜

先月のコラムでは、業界の現状を正しく認識して頂く事から、リフォーム事業全体のニーズや課題を浮き彫りにし、何故このような業界体質が根付いたのかという背景を第一ステップとして紐解いて参りました。

 これからの解決手順として、まずサービス別に分類し、販売業と建築業というそもそもの観点から、企業が目指すべきサービスセグメントにどのようなメリットやリスクがあるのかをイメージして頂けたかと思います。改めて読み返して頂ければ、非常に理解が進みますので、是非お勧め致します。

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 さて、第2ステップとして『事業を正しく成す』為には、利益をしっかり上げる!という点に触れました。

 リフォーム産業新聞社の中村様からは、粗利に対する業界傾向を2つ教えていただきました。

 まずしっかり利益を上げているリフォーム会社があまりにも少ない事と、粗利率については大手リフォーム会社と地場リフォーム会社との格差がほとんどない事をあげられました。

 この内容から、我々が皆様にお伝えしたい事は、会社の販売手法による粗利率の格差よりも、リフォーム事業そのもののサービス構造に課題があるという点に目を向けて頂きたい事と、粗利率や粗利額アップといったミクロ的感覚に集中しすぎ、結果、会社の利益に直結していないという点に気づいて頂きたい2点なのです。

 サービス価値そのものを上げられないという負のスパイラルに陥っている理由を、根本から改善していくプランニングとスケジュールがこれから必須になるという訳なのです。

 このような業界体質から、第2ステップでは、『自社のサービス価値とは営業利益を上げること』というテーマで、わかりやすく解説していきました。
 粗利率をアップすることは非常に大切な事ですし、少しでも売上総利益【粗利額】を上げる取り組みは確かに大切です。

 しかし、ここだけに執着するという事は、やはり『直接原価』にしか目が行かないという副作用を逆に引き起こしかねないのです。

 直接原価とは、いわゆる建材、住設の材料仕入れ価格や、現場で施工して頂く職人さんの手間代や、外注加工費などを指します。

 もう既にお気づきだと思いますが、この直接原価の現状というのは『乾いた雑巾をさらに絞る!』という感覚に近く、まさに限界と言ってもいいのではないでしょうか?
 これ以上の直接原価の絞り上げは危険水域であり、特に職人手間については品質や作業精度にも影響し、更には協力業者間の取り返しのつかない信用取引にも影響するでしょう。

 経常利益をシンプルに表現すると、会社の利益です。つまり会社の価値に繋がります。そして営業利益を言い換えると、サービスの利益という解釈となります。その為にも、自分達のサービス価値を最大化するためにも、しっかり営業利益を意識してサービス推進に取り組んで頂きたいと思います。

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 ではサービス利益である営業利益を如何にあげるためにはどうしたら良いのでしょうか?

 実は、考え方はやはり3つしかありません。

 『売上を増やすか?』『原価を下げるか?』『経費を下げるか?』の3つとなります。

 限られる売上に、絞り上げる事が限界の原価となれば、残るは『費用を如何に効率よく下げるか?』というキーワードに注力するしかないという訳なのです。

 ここで気をつけて頂きたい事は、『費用を下げる=販促費や人件費をカットする』という感覚に捉われがちですが、そうではなく『サービス原価全体を見直す』という考え方で捉えて頂きたいのです。

 サービス原価には直接原価ではない間接原価(現場管理費など)や、経費の中のヒト、モノ、情報を如何に有効化し、効率的な仕組み作りにどれだけのカネを費用としてみるのか?という観点から再検討することが大切です。

 

 どうしてもメンテナンスリフォームや機能改善リフォームのような小さなサービス単価を数量追いかける販売業としてのサービス活動は、やはり直接原価ばかりを意識してしまいがちです。

 しかしながら、これからの長寿命化の時代に向けて、『長持ち』という耐久性のキーワードとなる性能リフォームやライフスタイル改善リフォーム、いわゆる高額なリノベーションに参入される企業様は、まさしく建築業としてのサービス活動となりますので、今までの感覚や発想は一旦取り除き、直接原価だけでなく、施工管理知識をしっかり学びながら間接原価への効果を引き上げたり、サービスの原点となる設計改善や業務フローの再構築など、ムリ、ムダ、ムラを無くす生産性向上に向けて費用を削減できる正しい事業活動を成して頂き、顧客の生涯化に向けて取り組んで頂きたいのです。

〜来月Vol.3へ続く〜

『これからのリフォーム事業の施工管理の在り方とは?』〜Vol.1〜

 2020年10月15日に、久しぶりにリフォーム業界に向けて、今回のコラムタイトルでNSウェビナーを開催いたしました。
 当日はリフォーム産業新聞社の中村様をお招きしながら、変化するリフォーム市場の課題やニーズを聞かせて頂き、これからの施工管理の在り方を紐解いていきました。

 ウェビナーご視聴者のご参加内訳は、約半分がリフォーム専門会社様で、残り半分が新築をメインにリフォーム事業強化を考えられているビルダー様であり、特に経営者のご参加が目立ったように感じました。
 また今回は、メーカー様各社の企画開発部スタッフ様のご参加もかなり多かったように思います。

 ということで、今月号からはご視聴頂けなかったメルマガご登録者様にも、今回のウェビナーでのポイントを簡単に掻い摘みながら数回に分けてコラムという形で皆さまにお届けしたいと思っておりますので、是非楽しみにしていてください。

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 今回のウェビナーは、5つのステップでお話しを致しました。

 まず1ステップとして、「何故リフォーム業界に施工管理という概念が根付かなかったのか?」というテーマに対して、3つの要素を上げました。

 1つ目は、リフォーム事業を起業した際の、経営者の事業目的にあるとお伝え致しました。
 つまり、リフォーム事業の起業目的が、「販売」することなのか?それとも「つくる」なのか?という、そもそも論が根源となる重要な部分だという事です。

 2つ目は、リフォーム業界に対して、現在の日本のコンサルティング会社を筆頭に、「集客」「収益」「販促」という3つのキーワード以外、提案したり教えたるする企業がほとんど無いという環境にあるという事です。
 毎年開催されているリフォーム産業フェアの提案ブースの構成について、当日リフォーム産業新聞社の中村様にお伺いしたところ、リフォーム業界の現在のテーマが、新規受注強化から生涯顧客化へシフトしている点で、近年は商品提案ブースから販売促進、顧客管理といった内容の提案ブースへ比重が大きく移り変わってきたという事象も近年のニーズとして確認できました。

 そして3つ目は、社員教育および人材育成についての課題です。
 つまり、建築知識や施工管理知識を学ぶ環境がこのリフォーム業界に全く存在しない事が挙げられ、仮に会社が社員に対して研修等へ参加させたとしても、「集客」「収益」「販促」というテーマに集中してしまい、社内には建築技能的なリソースが蓄積されず、社内の技術的キャリアアップ形成にはどうしても及ばない状況である事が挙げられます。

 このような3つの理由から、「つくる」という行為そのものの優先順位が中々上がらず、施工品質という重要性の高い課題は内面では認識しているものの、どうしても緊急性の高い、受注やキャッシュという事を優先してしまう業界文化が根付いてしまっているという訳です。

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 一方、今回の「施工管理」の在り方を進めていく前に、リフォーム業界という大きな業態から、リフォーム内容をセグメント化し、どの範囲から施工管理という業務が必要となるのかを、我々建築技術コンサルティング会社視点で以下の4つの分野にセグメント化しました。

 まず、センスや提案性が少なく価格先行で受注するメンテナンスリフォーム。そして、逆に価格は去ることながらセンスや提案性が必要となる仕様改善リフォームです。
 ただし、両者とも共通するのは、建築知識が薄くとも、販売先行で獲得できるリフォーム内容となりますので、この2つは施工管理という領域ではなく、「作業管理」の領域となる訳です。
 この内容のリフォームをメインに事業として推進される会社は、短い工期に、身の回りの養生やマナーを中心とした環境保全対策や単発的な納材管理程度となることから、事業領域はむしろ「販売業」だと言えるでしょう。

 しかしながら、快適性を求める性能改善リフォームや、増改築と言われるライフスタイル改善リフォームの2つは、住宅そのものの耐久性という長寿命化を考えた主要構造に関わる重要なリフォームカテゴリーとなりますので、正しい建築知識と施工管理知識が必要となりますので、絶対に「建築業」という思考でなければならない領域となるのです。
 特に新築の建築知識がない状況で素人的なプロセスで受注することが危険な領域となりますので、技術的な社内の人材リソースの開発や育成を強化した中で、チャレンジしなければならないリフォームだと言えるでしょう。

【Vol.2へつづく】

コロナ禍で引きおこる職人との情報共有の懸念

 コロナ禍で職人との接点機会が少なくなることで、最近では正しい情報伝達に歪みが生じ、製造現場でのオペレーションに問題が出てきているようです。

 従来、定期的に実施していた安全大会や協力業者会の未開催に始まり、各物件の着工打ち合わせにまで未開催に至っている事が大きな要因の一つでしょう。

 特に着工前打ち合わせの未開催の影響は大きく、従来でも職人依存型管理体制が蔓延している中、せめてもの事前確認の場であったはずが、その接点も止むを得ず機会を損失してしまっているようです。

 一方、クラウドツールを積極に取り入れているビルダー様も数多くなり、このコロナ禍の中、利用する事で逆に利便性が良く、施工管理が上手くできていると仰る人達も少なくありません。

 このような対局の意見を聞く限り、どうもクラウドツールの運用の仕方でコロナ禍の建築現場の施工管理を賄えるのでは?と、一瞬勘違いするのも不思議ではありませんが、それは決してクラウドツールを導入する事そのもが左右するのではなく、クラウドツールをどのように運用していくかという目的に左右されるように思うのです。

 では、両者を検証していきましょう。

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 中々クラウドを活用できず断念したり、導入しているが上手く機能していないと仰るビルダー様の課題は一体何でしょうか?

 一番良く言われる事が、『職人が中々全員使ってくれない!』という話しを良く聞きますが、そもそもビルダー様側がどんな成果を得たくて実施していきたいのか?
 またクラウドを使って、職人達がどんなメリットやベネフィットを受けるのか?という、明確な内容をしっかり伝えているのでしょうか?
 ここは結果、使わない外部要因よりしっかり伝えていない内部要因がそもそもの課題のようです。

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 また、ある程度使ってくれているが、中々上手く運用できていない!と答えるビルダー様はどうでしょうか?

 このケースは、社内の業務フローがアナログであってもそもそもしっかり決まっていなかったり、ルールが定まってなかったりする事が根本にある事で、その状態で無理矢理クラウドの世界に業務フローを乗せ込んでも、自ずと機能しないのは当然であるように思います。

 このように導入したが上手く回らないケースでは、ほとんどが運用側の社内に課題が隠されている事がわかりますね。

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 では一方、利便性が良く、施工管理が問題なく進んでいると答えるビルダー様はどうやっているのでしょうか?
 ここも一度検証していきましょう!

 上手く利用できていると仰るビルダー様のほとんどが使っている機能は、まずどのような機能を使っているのかを見ていくと、代表的な機能が、設計図書を中心としたデータ共有です。また各工種毎の作業日報的なメッセージや写真の伝達共有も非常に使われています。

 次のステップでは、工程表の共有なども多く、工程表に合わせての材料や段取りを含めた受発注関連にも積極的に利用されている方もおられるようです。

 更に利用を深めている方は、自主検査の為のチェックシートや品質管理の為の写真UPなど、どちらかというとお施主様への出来形報告を中心に積極的な顧客満足UPに利用されているビルダー様もいらっしゃいます。

 使われる機能の深さとビルダー様が感じるベネフィットの関係は、皆さん各々の価値観として様々ではありますが、いずれにせよこの辺りがクラウドを使って行うビルダー様側の現在の運用範囲のMAXであり、逆にクラウド会社さんは更なる利便性の高い機能を開発し、そして追加装備するも、これ以上は中々現場での本質的な運用までは踏みこんでいけず、ある程度、運用側の限界が来ていると言えるでしょう。

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 ここで一つ、皆さんが気付かれているようで、理解されていない盲点が潜んでいます。

 ここが今回のポイントとなります!

 それは、現場管理ですべき本当の役割と目的が、クラウド活用の習慣化によって認識が少しずつズレが生じているという事なのです。

 これはクラウド活用を否定しているのではなく、活用すべきポイントを間違えないようにして頂きたいという事ですから、逆に間違いなく運用して頂ければ、まさしく『鬼に金棒』なのです。

 例えば、『設計図書の共有』というテーマに関して、クラウド共有という新旧図書を間違えない!全ての職人達にリアルタイムに伝達する!という事では素晴らしい媒体なのですが、施工管理の本来の目的からすると、UPされた設計図書そのものの精度が直接現場施工に反映されてしまう事を理解し、本当に精度の高い設計図書が提供されているのか?という根本的な事なのです。

 また現場の出来高をしっかり写真に収め、エビデンスを残しながらお施主様にクラウド上で進捗報告するという点でも、媒体としては素晴らしい取り組みだと思うのですが、施工写真をエビデンスとして残す事が品質管理の本来の目的ではなく、自社の施工基準にしっかり適合しているのか?そして万一適合していなければ、確実に是正して改善したんだというエビデンスを残す事の方が、品質管理において一番大切な仕事だという事です。

 特に自社チェックシートまで運用をされている熱心なビルダー様ですら、チェック項目にただただ○をつけ、写真を撮るという作業に至り、自分達はしっかり品質管理をしていると勘違いしてしまっているビルダー様も少なくありません。

 このように、『目的』と『手段』の使い分けをしっかりと理解し、運用さえすれば、実は素晴らしい施工管理ツールとして運用できるのです。

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 施工管理でのリモート化のポイントを最後にまとめると、本来現場ですべき役割に特化し、ここを徹底的にリモート化することを考えていきましょう。

 現場ですべき役割とは、品質管理、安全管理、環境保全の3つです。

 その他の原価管理や受発注管理、そして工程管理等は現場のリモート化ではなく、着工前に全て完了しておく為の徹底した社内改善作業にあります。

 そして、現場ですべき3つの役割のリモート化のポイントは、職人達を含めた現場スタッフの共有浸透を一気に加速させる事が大切になります。今や現場スタッフとの共有浸透が図れない環境下の中、利便性かつ効果的な共有浸透手段を模索し、ここに焦点を絞って取り組んで頂きたいのです。

 きっとここをしっかり取り組んだビルダー様とそうでないビルダー様の施工品質や現場環境のレベルの差は、やはり決定的なものを生み出すに違いありません。

 コロナ禍で受注をしたお客様の生涯顧客化は非常に難しいと思われます。だからこそ、施工管理全体での精度が素晴らしい引き渡しを迎えれるか否かの分かれ道となりますし、顧客満足度を如何に引き上げられるか?そして、自分達の生涯顧客と成せるか?に繋がる大きなポイントとなるでしょう。

 

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 2020年春からコロナ禍によって本格的に始まったリモートワークも、当初の困惑からメリットやデメリットを数多く経験した中で、今や違和感のない様相と化してきました。

 社外においては、出張をしてミーティングをしてきた事や、人を沢山集客して周りに理解を求めてきた事、また社内においてもスタッフを集めて会議やオペレーションを行っていた事など、導入前までと比べて時間やコスト面においては、従来の内容にあまり遜色ない結果を実感した事で、案外このリモートワークというものが受け入れられ、むしろこの方が「経営効率が良いのではないか!」など、今までとは全く真逆の思考に染まっていった感覚が、遠い過去のように感じてしまうほど早い環境の流れを実感されていることでしょう。

 リモート環境の前提は、やはりコロナウイルスからの接触感染を避ける為の個人的、そして社会的配慮から成り立っています。その背景をきっかけに、手段として強制的に実施したリモート環境から、自らの仕事の意味や価値に対する原点回帰を経て、仕事そのものの必要性や生産性などを改めて考え直した思考の結果なのです。

 それを環境からの学びとしてポジティブに受け止めれば、やはり時間というものに対する効果や成果というものを、より引き上げる為の「習慣的価値改善」なのだという事でしょう。

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 実際の住宅営業においては、新しいお客様の認知から好感に引き上げる集客業務。そして好感から興味に引き上げるファンづくり業務。更に興味を持って頂いたお客様に他社との比較を経て納得して頂くクロージング業務と3つのステージに分かれていますが、この顧客アプローチ全体においても、リアルプロモーションからWEBプロモーションに軸点が加速的に変化しようとしているのです。

 ただ失ったものの多くは、「人」という存在から生まれるリアルコミュニケーションという価値そのものにある醍醐味とプロセスではないでしょうか?

 単なる購買行為そのもから言えば、確かに効率性というものを重視する事は非常に重要な事なのですが、家づくりという購買行為は、唯一「一回性産業」と言われる崇高な行為だけに、単純な効率重視だけでは、その先の生涯顧客という長期視点においては、大きな影響を与え兼ねないという懸念はここで抑えておくべきでしょう。

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 さて、上記でも述べた生涯顧客化の重要な課題でもある、施工管理工程における顧客満足度の低下に関しての具体的な対策であります。

 確かにコロナの影響によって、どうしても新規契約数の獲得を優先しなければならない事で、本来の「ちゃんと造る!」という工務店事業の本マルが更に置き去りになって来ている事も忘れてはなりません。このような環境下である事を改めて認識する中で、製造工程に対してもリモート環境をテーマに、どのような手法で安定した管理をしていくべきなのかに知恵を絞る時が来たのです。

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 ポイントは、「PDCAのオートメーション化」がキーワードとなります。言い換えれば、前回にも取り上げたプログラムマネジメント手法を用いたオートメーション化という感覚となります。

 最優先事項である「P :計画」に対しては、兎にも角にも自らの施工品質基準を明確にしておく事であり、このステップが無いと品質管理そのものがスタートできません。

 また、「D :実践」に関しては、自社で決めた品質計画の何を測定するかという項目化と、レベル設定を確実に行える「モノサシづくり」が大切になります。

 次に、「C :評価」は、自社で決めたモノサシを使って、適合状況を客観的に評価出来る仕組みを運用する事にあります。ほとんどのビルダーがつまずくポイントはこの評価のフェーズであり、どうしても人的に依存したチェック作業と化し、写真を使ったエビデンスづくりの業務にすり替わってしまうのが現状と言えるでしょう。

 最後に、「A :改善」となります。この改善については、「対処」で終わるケースがほとんどです。やはり対処で終わる原因には、適切な評価ができない事から正しい現状分析に導けないという流れとなる訳です。正しい現状分析に至らない事で、改善すべき優先順位や要因が発見できずに改善計画が全く見えなくなり、結果、品質が保たれないという実情なのです。

 まず、この4つのフェーズは、リモート環境の有無に関わらず仕組み化すべき大前提の取り組みとして正しく認識しておいてください。

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 そして、本質的な課題が最後に残ってしまいます・・・
 それは、上記のプロセスを仮にスキーム化したとしても、一番の大きな課題となるのは、「職人浸透」という、家を建てる当事者である末端職人まで伝えるという作業がとても重くのしかかってくるのです。

 これは従来の安全大会や協力業者会、そして着工前会議など、職長を中心としたアナログなコミュニケーションを幾度と積み上げてきました。
 しかしいくら継続していたとしても、細部の職人スタッフまでは浸透することはなく、本質的な施工品質改善には辿りつけなかった経験を実感されているのではないでしょうか?

 実はその「伝える」という一番困難な部分こそ、徹底的にITを使ってリモートで適切かつリアルタイムに情報を事前共有出来る発想を送り込めば、一気に解決出来る糸口が掴めるのではないでしょうか?