『クレームは組織に対するメッセージである』

消費者センターのクレーム件数のデータを調べてみると、産業全体で
1969年に年間5000件程度だったものが、2006年には13万7000件に増えている。
また、クレームの内容を分析しても年々複雑化し、その内容を本当に受け入れるべきか否かの
 判断をさせても非常に困難になってきていると言える。

顧客満足を定義するとすれば、一般的に商品力、サービス力、価格力、ブランド力の
4つと言っていいであろう。
自らが買い手の立ち位置に置き換えれば、その優先順位も変化するに違いない。
また逆を返せば、この4つの要素が叶えられないと、常にクレームが起きる要因になると言えよう。
特に住宅という非常に単価の高い消費行為には、命懸けに近い、真に迫るクレーム内容が多いことも
住宅産業の特徴である。
なぜならば、一生に一度という一回性の家づくりだけに、よりクレームも拡大化し易いのである。

もうひとつ、消費者センターのデータから読みとったデータとして、クレーム内容の上位を調べてみると
1位はやはり『商品の不良、欠陥』であり、続いて2位は『顧客対応』である。
続いてシステムエラーや、顧客自身の勘違いと続く内容であった。
しかし一方、企業が提供する商品やサービスを長く愛する顧客側に立ったアンケート結果などを
紐解いていくと、むしろ4割近い優良顧客のその発端は、実は『クレームの対応方法』にあったと
回答していることも事実である。
恐らくクレームひとつひとつに対し、きっとその企業が消費者の目線で真摯に耳を傾け、
一生懸命に対処している姿勢を評価されていたに違いない。

我々の住宅産業においても、販売第一主義を貫くこともわかるのだが、住まいを製造する事業として、
もう一度、今までに見過ごした誤りや、企業本位の仕事の進め方に警告を与えてくれていると
謙虚に捉えれば、実は『クレームは組織に対するメッセージ』であると言えるのではないだろうか?
また、クレームに対する向き合い方ひとつが、
これからの企業成長を左右する非常に貴重なマーケティングではないだろうか?

家づくりを通じて、企業は常に商品やサービス改善の繰り返しを怠ることなく、
日々改善サイクルを企業文化として根付かせることこそが、
真の顧客満足を生む原理原則であると言えよう。