NEXT DOOR 弊社グループ代表の小村直克のコラムや導入されておられるビルダー経営者様との取り組み対談などにフォーカス!

『置き去りにしてきた建築会社の使命に、今こそ原点回帰する』(1)

投稿日:2016.07.11

どんな事業であっても『責任』という社会的に果たし得る使命がある。

日本社会では、最近『責任を取れ!』と言われれば、辞職する…降格する…減給する…場合によれば頭を丸める…などと、マスメディアでも良く見かける光景である。しかしながら、全ての行為はどこまで行っても自己都合な行為ではなかろうか?
『責任』という言葉をウィキペディアで調べてみても『対処する』と書いてある。そう考えれば、前者のような行為では決して責任を取ったことにはならない。やはり責任とは対処するという質的行為である。

では、建築会社の社会的責任とは何であろうか?

答えは間違いなく『製造責任』であるに違いない。大手、中小に関わらず、お客様と約束した家づくりをする行為こそ製造責任そのものなのである。

では、製造責任は何に紐付くかを考えてみよう!

間違いなくお客様と交わす請負契約書を履行するということであろう。
請負契約書には、請負金額や支払い条件、また建築工期、そして様々な約款事項、そして設計図書が添付される。つまり、請負契約書に綴じ合わせた内容全てを履行する責任ということになる。
特に設計図書を添付している限り、お客様と約束した仕様、性能、品質を果たし得ることが絶対的な建築会社の使命となる。

だからこそ、今、建築経営の原点に回帰し、真剣に住宅品質を見直すラストチャンスではなかろうか?

これから2020年に向かっての環境保護や家の長寿命化、性能担保、動産価値向上への維持管理。さらには資材や手間の上昇。つまり工事原価の上昇も想定しておくとなると、もっと今迄以上に請負履行のハードルが上がっていくに違いない。
品質や生産性を、今先送りにすればきっともうその時は施工現場における蔓延した課題を解決できないギャップに陥り、販売よりも現場そのものから、事業を破綻せざるを得ない時が直ぐそこに来ているのである。

『受注の裏側には、職人離れの危機が潜む』(3)

投稿日:2016.06.10

今月は職人の中でも、特に今の大工職についての現状をお話したい。

一軒の新築工事には、おおよそ30前後の各種業者が現場に関与していくのであるが、仕事が以前に比べて分業化が進んでいるとはいえ、やはり大工職人の仕事範囲がまだまだ多い

全体の仕事量だけの問題ではなく、大工仕事が出来るようになるまでには、他の業種に比べても経験が必要とされ、即席でやれる仕事でもない

現在では、全国の大工職人の平均給与もまだ400万円くらいにしか過ぎず、特に15歳~19歳までの10代の大工職人の総数も、全国で2000人を満たない就業状況である。
ここで着目していただきたいのが、各種業者の手間代に比べ、大工職だけが非常に不利な状況であることを忘れてはいけない。

なぜならば、現在の建築会社が求めるシビアな工期を全うするには、たくさんの道具が必要になる。スピード・精度共に、それなりに求められるなかで、10分・1時間を出来るだけ効率良く、手戻りなくやる為の知恵と工夫を自らが築いていく

仕様設計に対し、専用の工具でないと仕事が出来ないのも事実であり、例えば土台をN90の釘で留め付けるとすれば、よく使う65や75では道具が対応出来ないので、当然N90専用のインパクトが必要になる。ちなみに1台10万円以上す品でもあることは覚えておいて欲しい。また、軒天がサイディングボードであれば、当然外装専用のインパクトが必要であるし、断熱材の留め付けも同様であり、専用の道具で対応する。

だから若い大工職人には、道具を購入するお金すらなかなか現在の手間代の中で買うことが難しい現実であり、仮に全てを揃えるとすれば、150万円くらいかかるのではなかろうか。また、毎日使っていれば故障もするであろうし、また替えの道具までも対応するとなれば、最低でも毎月道具代だけで定額で最低5万円くらいはかかるであろう

特に10代の大工職は、年収300万円を満たないなかで道具代を単純に差し引きしても、若者は大工職を目指すのだろうか

住宅を供給する企業として販促第一主義も良いが、是非これから大工職人を含む多くの技術者たちに、新たなるモノづくりの醍醐味と明るい希望に旗をあげていただきたい

『受注の裏側には、職人離れの危機が潜む』(2)

投稿日:2016.05.10

前回は、現場からの職人離れの加速について少し触れたのだが、新築が年々減少していくと言えども、まだまだ事業者の受注に対応していける職人の引き当てバランスは安定していかないのである。

よく様々な専門紙にも、1棟あたりの職人の引き当てに関する統計なども出されたり、また現場監督一人あたりの適正な現場管理棟数などの目安も目にする。

しかし実際の現場では、建築会社がどの職人にどれくらいの仕事量をどこまで管理させるのかという、具体的な仕事の役割と責任が明確に分解されていないし、また現場監督に契約から着工までの社内業務にどれだけ関与させているかで、適正な管理棟数配分は求められないのである。

先ず現場を進める上で今、大切なことは全ての事前計画にある。

工期中のムダやムラには、直接的に現場監督の管理スキル等も確かに挙げられるが、実は会社が指示している工期そのものの適正化や、着工するまでの設計業務やコーディネート業務、営業活動の段取りに大半、紐付いていることを忘れてはならない。

つまり、契約したお施主様との契約内容をしっかり履行する為のプロセス管理として、いわば契約から着工までの会社の業務工程管理が根本的に杜撰であることが、結果、工事着工後の現場管理へのしわ寄せになっており、現場段取りの悪さに繋がっている。

会社トップが早くここにしっかりと関与し推進していかない限り、職人達はこれからもどんどんその会社から離れていくに違いない。

『受注の裏側には、職人離れの危機が潜む』(1)

投稿日:2016.04.15

2015年の秋くらいから、全国的に目に付く現象がある。

それは職人離れの動きであり、今迄は元請けの受注の強さに比例して業者が紐付くという神話が、とうとう崩壊していく流れを感じるのである。

現実、過去に県下ナンバーワン着工のビルダーだった会社が、今や、工務、設計業務を排除し、販売のみに特化するといった経営の切り替えを行っているビルダーも出てきていることも現実である。

なぜなのであろうか?

答えは単純で、工期単価段取りの3本柱が職人として採算が伴わず、仕事として限界に来ている状況であることと、新築が減少したと言えども大工職を含む職人自体の減少の加速が止まらないことが拍車をかけている。

しかしながら、業界の現場環境がここまで危機的状況に堕ちいっても、まだまだ仕様や工法の差別化を含め、消費税アップなどの機会を見据えての販売促進戦略が懲りないまでも新たに市場に注入されてくるのだが、ここで一度立ち止まり、自らの家づくりの原点を整理することが必要な時期なのである。

ものづくりの基本は、現場でしか利益は生まないということ。これからの厳しい業界環境を正しく切り抜けるには、現場絶対主義を貫き通し、品質の向上と生産性 の向上を死守しない限り、建築会社としての未来の本質的な利益は生み出されないし、これから職人は誰も着いて来ないという時代が来るのだと言えよう。

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