外壁通気構法を考える上で押さえるべき3つのポイント

なぜこの部材を使うのか?なぜこのような施工方法を採用するのか?その「理由」を理解した上で職人さんは施工、監督はチェックを行うと、今まで見えてなかった不備が見えてくることがあります。

外壁通気構法について、監督さんはこの3つは覚えておいてください。

外壁通気構法は、空気を入口から取り込み、通気層を通る空気の流れによって壁体内の水蒸気を出口へ運び排出します。(下図参照)

外壁通気構法の3つの原則原理

  1. 空気の入口を確保
  2. 空気の流れる道の確保(通気層)
  3. 空気の出口の確保

施工不備や計画自体の問題で通気層が機能していないケースがいまだに多く見受けられます。現場をチェックする際には必ずこの3つのポイントを念頭に置き、確認を行いましょう。

企画・設計の見直しの必要性も

弊社のデータでは、住宅現場で見つかる不備の要因は、設計・企画によるものが3割程度となっています。現場の不備は職人さんのミスによるものだけではありません。

下の写真は、継手や定着が集中し鉄筋の間隔が十分に確保できていない写真です。

鉄筋の加工や組立て型を工夫することである程度の改善も可能ですが、このような部分ができないような根本的に企画や設計を見直す必要もあります。

「設計者の方も現場をよく知る」ことが重要ですし、このような情報を共有する仕組み作りも大事です。

第三者監査を採用しているビルダーさんは、ネクストステージからのレポートやフィードバックデータをもとに、設計部分にもメスを入れ設計・企画品質の改善に取り組んでいます。

 

 

使う「意味」もセットで落とし込む

スリーブホルダーを使い、ボイド管を設置している写真となります。

住宅会社さんは、「スリーブの周りにしっかりコンクリートを回すため」「鉄筋のかぶり厚を確保するため」にスリーブホルダーを採用しているのですが、今回の現場では横筋にスリーブが触れていました。

住宅会社さんの定めたルールとして、「スリーブホルダーを使用する」ということは職人さんに伝わっているのですが、なぜ使うのかという「意味」を落とし込めていなかったため発生した不備施工事例となります。

住宅会社さんが目的を伝えていなかったのか?協力業者の社長へは伝えていたが、現場の職人まで正しく伝わらなかったのか?意味や目的をしっかり落とし込むことと、その情報が正しく伝達される仕組みも合わせて考慮する必要があります。

 

 

 

現場チェックのコツ「予測」

下の写真は、筋交い金物を取り付けた写真です。

よく見ると、メーカー指定の本数より多くビスが取り付けられています。ビスの使用数が不足しているわけではないので、メーカー指定の数に戻すかどうかはビルダー様の自社基準で判断いただく案件です。

実は、このような時に第三者監査のベテランスタッフは、「1本多くビスを使っているということは、他の部位で不足している可能性がある!」と考え、気を引き締めて現場監査を行います。すると結構な確率で、不備が見つかることがあります。

「柱金物ビスの種類を間違えていた」とか、「床に金物工法で使うピンが転がっていた」とかも、不備発生の可能性を示すシグナルとなります。

現場監督さんには、このようなシグナルを見つけたとき、不備が他の部位で発生している可能性を考え、現場の確認を行い施工品質向上につなげていただきたいです。

1000棟に1棟!

皆さん驚かれることかもしれませんが、建物着工後に建物の向きの間違えに気付く事例が、およそ1000棟に1棟くらいあります。

ではなぜ、間違えて工事を進めてしまうのか?

調べてみると次のようなことが原因となっていました。

設計担当者が、もう少しだけ施工者に対する気づかいがあれば、リスクを減らすことができるのではないでしょうか。

自社の図面は、大丈夫ですか?

着工前の図面の入念なチェックを行う事で、不備につながる芽を摘むことを心がけましょう。