わかっていても、手を加えないままに

現場監査における不備の要因を4つのカテゴリーに分類すると『設計』『現場管理』『職人』『商品』となる。『設計』の面では、図形の整合性、いわゆる誤記や新しい図面が職人様まで行き渡っていない等の原因が多いがそれ以外にも図面が分かりにくい為にミスにつながるという場合もある。
弊社の5回目監査では、構造躯体のチェックを行うが、その中に、柱、梁、筋交い等の接合金物も含まれる。監査士様いわく、あるビルダー様では、設計図書では柱頭、柱脚金物の告示記号(い・ろ・は・・・)と記載され、それにみあった使用金物の凡例が書かれているが、毎回使用されている金物が同じであるにも関わらず、凡例の金物は違う製品であるという例が意外と多いらしい。
職人様も、『同じビルダー様の現場に何度か入って仕様はわかっているが、応援などで初めて現場にくる方もいるので、使う製品を図面に落とし込んでほしい』というのが本音である。作業の効率アップ、ミスの減少につながるので、試みていただきたい。

新規導入にも関わらず指摘がない??

『段取り八分』という言葉があるように、品質管理を行っていく上でも事前の準備・計画が大切です。最近あった一つの事例をご紹介します。第三者監査を初めて導入したビルダー様の現場で基礎のアンカーボルトチェックをいたしました。我々の統計上、導入当初は不備の見つかることが多いところなのですが、その現場では、しっかりと施工され一つも不備がみつかりませんでした。特別入念に施工・管理されていたわけではないのですが 基礎伏図に、情報の落とし込みが細かくされていたことが不備を起こさなかった大きな理由でした。未だに、プレカット図や伏図だけを基礎業者様に渡し、基礎業者様の職人判断に任せてアンカーボルトを入れるケースは少なくありません。今回の事例は、設計の事前計画がしっかりされていたことにより、職人によるミス・ムラを防いだ例です。『情報の落とし込み』と『図面の整合性』は、不備を減らす上で重要なポイントになりますので設計手法、業務の流れを今一度見直していただければと思います。

現場での安全対策

弊社現場監査の理念である、ビルダー様の「施工品質の向上と安定を具現化する」為に日々現場の最前線で頑張っていただいている認定現場監査士様からも、現場の状況について様々な意見が上がってきます。特に多い内容が、安全対策についての内容となっており、中でも足場の状況や2階の昇降梯子についての意見が多いです。

上の写真は建物と足場の間隔が広い状況です。あまりにも広いと監査中に落下してしまう危険性もあり、作業をされる職人様も気を配らないと落下してしまう可能性があります。下の写真は2階への昇降梯子の固定が正しく行われていない状態です。昇降時に梯子がグラグラしていると、昇り降りされる職人様が落下してしまう可能性があります。いずれの例も「何かあってからでは遅い」です。万が一職人様や現場監督様が事故にあった場合、ビルダー様やその先のお施主様にもご迷惑をおかけすることになってしまいます。職人様が事故にあった場合にも、最終的には ビルダー様とお施主様にご迷惑をおかけすることになってしまいます。施工品質を向上・安定させるためには、このような安全対策を正しく行うことも必要ではないかと考えます。

スラブ筋下のコンクリートのかぶり厚さ確保について

今回の品質を上げる為のスキルアップポイント!はスラブ筋下のコンクリートのかぶり厚さ確保についてとなります。意外と出来ていない事が多い部分かと考えます。それでは早速!といきたい所ですが、まずその前に『かぶり厚さ』について確認しましょう。『かぶり厚さ』は、其々の場所に於いて最低限必要な数字が建築基準法で定められています。目的としては、充分なかぶり厚さを確保する事によって、コンクリートの中性化を遅らせ、内部の 鉄筋が錆びてしまう事を避ける事により設計強度を維持する事となります。

上の画像では、下側のスラブ筋の更にその下に外周部立上り縦筋の定着部分があります。かぶり厚さを確保する為のスペーサーブロックは下側のスラブ筋に設置されていますので、結果的に約10mmかぶり厚さが不足する事になります。この部分のスラブ筋を縦筋の定着部に先に潜らせておく一手間で解消できます。
一方、下の画像では、スペーサーブロックの使い方に問題があります。40mm×50mm×60mmの寸法を何が目的で、どの様に使うか。ほんの少しの一手間で、より確実な施工が可能となります。施工品質向上の一歩とされては如何でしょうか。