【優良事例】魅せる配慮

 【コメント】

先日、珍しい光景を目にする事が出来ました。
大引きの鋼製束のビス打ちの光景です。
普通はビスを直接大引きに留付けをしておりますが、
この職方さんは、まず穴を開けてから大引きビスの留付けをされていました。
大引きビスが木材の材種によって折れる為、事前にひと手間を掛ける事で、ビス折れも無くなったそうです。
まさしく、魅せる配慮『美』を意識した施工だと思います。

また、基礎の立上り部分とベース取合いには鋼製枠のセパレーターを設置する為、
セパレーターの厚み分隙間が生まれ、立上りコンクリートを打設すれば隙間からコンクリートが流れ出します。
このように流れ出したコンクリートは建物に実影響がないので、
通常はそのまま工事を進める事が多いのですがこの業者さんは丁寧に撤去されていました。
この点も、魅せる配慮『美』を意識した施工だと思います。

ちょっとした事ですが、こういった日頃のひと手間を惜しまない事が
お施主様の心を掴むと感じた現場でした。

ひと手間の工夫

【コメント】

写真では少し判りにくいかもしれませんが、工夫を感じ取れる納め方をした現場に出会いました。
耐力面材の、上下の隙間に注目してください。
シートを挟み込んで施工がされています。
通常このような施工はされていませんよね。
私も見かけたことがありませんでした。
職方さんに理由を尋ねたところ、
『上下の隙間にシートを挟み込むと屋内への雨水の侵入を防げる』とおっしゃってました。
工事中における水濡れに対するリスク低減の工夫ですね。
 
家づくりには複数の業者様が携わります。
外部工程によって、それに続く職方さんの施工も変わってきます。
各施工に対しての『意識』・『目的』がきちんと現場の職方さまに認識される事が大切です。

品質向上への道は『試す』→『失敗』→『考える』→『改良』→『試す』といったサイクルの繰り返しです。
職方さんの意識の高さで、現場は必ず変わります。
建物に変化を与えるのは、『営業』・『設計』・『現場』。
これらが三位一体となってこそ、良い家が作られるのだと思います。

省令準耐火構造・仕様

【コメント】

最近、監査を行っている現場で「省令準耐火構造・仕様」を採用しているビルダー様が増えてきています。
「省令準耐火構造・仕様」は、建築基準法で定める準耐火構造に準ずる防耐火の性能を持つ構造及び
仕様を指します。
一例では、住宅金融支援機構の融資等の特有の構造を言い、いくつかの規定があります。

「省令準耐火構造・仕様」を行うことの一番のメリットは火災保険料が安くなること。
場合によっては50%以上安くなることもあるようです。
 
以上のような理由で採用しているのですが、省令準耐火仕様は現場での検査が無く、
書類の記入だけで審査が通過してしまっています。
現実、弊社(NEXT STAGE)でも現場監査にお伺いした際、設計図書で省令準耐火構造の記載はありますが、
現場で正しい施工が行われていないこともあります。

左の写真は、コンセントボックスにプラスチックのものを採用しています。
仕上げのプレートもプラスチックで、省令準耐火仕様の規定に違反していました。
現場監督様や職人様にお話ししてもご存じない内容でした。

右の写真は、その後現場にお伺いした時のコンセントボックスですが、金属製のものが採用されていました。
勉強会等で、ビルダー様に対してフィードバックしていった結果変化が起こりました。
 
このように目に見えて変化があった時が、現場監査を行っていて良かったと思える瞬間です。

【優良事例】グラスウールの施工状態

今回の事例は、現場で見せていただいた優良事例の一つをご紹介したいと思います。
断熱材のグラスウールの施工状態となります。
上部の画像をご覧いただくと一目瞭然かと思います。
グラスウールは断熱材としましては、非常に優秀な製品だと考えておりますが、
弱点があるとも感じています。
それは、施工する側の「手」の良し悪しが仕上がりに直結する点です。
建物の断熱性能は昨今の住宅に求められる非常に重要な性能の一つだと思います。
建物そのものの性能に直結する部分という事で、その性能を十分に発揮させるためにも
丁寧な施工が肝要となります。

壁断熱材であれば、柱の見付面への留め付けや断熱材自体をピンと張った施工が大切です。
そうする事で、その後の石膏ボード施工の際にボード裏に隙間が無くなり、
壁内結露を防ぐ事が可能となります。
また、防湿層をカットした部分(ダクト廻りやコンセント廻り)が必ず出てきますので、
丁寧な気密処理が必要です。
天井断熱材であれば、互いに隙間なくしっかりと突きつける事や間仕切り壁や
下屋取り合い部分に断熱できていない気流を防ぐ為の気流止めの施工が大切です。
外気に接する床やインナーバルコニー下にも確実な断熱材の施工が大切です。
デザインが良い建物も大切でしょうが、今一度、基本的な所を確認されてみてはいかがでしょうか。

無意識の施工とは

【コメント】

今回の品質を上げるスキルアップポイントは、『無意識の施工』を考えていただきたいと思います。
『無意識』と思わざるをえない施工事例からの気づきやスキルアップへの足掛かりになればと思います。

それではまず1枚目の画像ですが、いったいどの様な問題が考えられるでしょうか。

矢印の部分を見ていただきますと、この部分の何が問題かが一瞬では分からない方もいらっしゃいます。
よく見ていただきますと、下側のかぶり厚さが不足しています。
かぶり厚さを確保する為にサイコロスペーサーを使用されていますが、
同じ高さの鉄筋の更にその下に鉄筋があります。
つまり、縦筋の太さ(10ミリ)分かぶり厚さが不足している事になります。
そもそも、この縦筋は何の鉄筋だったのでしょうか。
外周部のピッチを構成する縦筋?コーナー縦補強筋?

答えはどちらでもなく、職方にお聞きしましたら、
『余ったから何となく入れたんだよね。』とのことでした。

次に、2枚目の画像はどうでしょうか。
一見問題のない施工に見えますが、お分かりの様に起きている現象は同じです。
下側のスラブ筋の更にその下に外周部の縦筋の定着部分があります。
ここでもかぶり厚さが不足しています。
サイコロスペーサーは一番下の鉄筋に施工していただく必要がありますが、どちらもそうなっていません。
今回の事例に共通する事は、『無意識の施工』という事です。
一見問題が無いように見えますが、よく見るとそこに問題が潜んでいます。
言われて初めて気が付くのではなく、その意味をしっかりと意識した施工が肝要です。
ほんの少しの一手間、一工夫が未然に問題を防ぎます。
皆さんの現場、一度確認されてはいかがでしょうか。