施工品質向上への入口

 【コメント】

NEXT STAGEの重要なサービスの一つに「標準施工手引書」があります。
「標準施工手引書」は施工品質向上の入口と位置づけており、建築基準法や瑕疵担保責任保険の法的基準と、
そこで定められていない部分を明確化させる為に、自社の施工基準を構築したものです。
自社基準を明確に定めることで、人的な裁量に委ねない一定の品質基準に適合させることが出来るようになります。

弊社では、全国のビルダー様へ標準施工手引書の構築をお手伝いさせていただいているのですが、
実際ビルダー様に訪問した際や、協力業者会を設けさせていただき、職人様へお話しさせていただいた際、
以下のような声をよく聞きます。
「『標準施工手引書』って何!?」「見たことないよ!」
「せっかくいいのあるんだから教えてくれたらいいのに」
実際に現場で作業されるのは、毎日現場で汗を流していただいている現場の職人様です。
言い換えれば、家づくりは現場の職人様に支えられているといっても過言ではありません。
「標準施工手引書」も、職人様が分かりやすいものを意識しており、基本的な施工手順が均一化すること、
職人様の経験やスキルに依存しない安定した施工判断が出来ることなどを目的としており、
職人様が「標準施工手引書」の内容を正しく把握して施工を行うことが、ビルダー様の施工品質の向上には欠かせません。

職方の意識レベル

【コメント】

基礎の鉄筋は人に例えれば、『骨』である。鉄筋の継手部分は『関節』である。
どれだけ強い骨(鉄筋)でも関節部(継手)が弱ければ、簡単に外れてしまい折れてしまいます。

上の写真の丸で囲った部分(是正前)の継手が200㎜程度の長さでした。
通常、鉄筋径の40倍の重ね長さが必要になります。
16㎜の鉄筋を仕様していた為、640㎜の継手長さを確保しますが、実際は200㎜でした。
定着と継手が非常に取りにくい場所で、更に鉄筋が組まれている状況で、
16㎜の鉄筋を曲げて加工するのは難しいと思いました。

ですが、こちらの改善後写真は見事に鉄筋を曲げて加工し、継手も十分確保出来ており
その場での最善の施工が出来たと思います。
 
改善が出来たことで、次の現場へのステップアップも図れたと思います。
失敗を恐れず、次に繰り返さないことがこの職方は出来ると感じました。

たかがボードビス。されどボードビス!

【コメント】

今回の品質を上げる為のスキルアップポイントは、
プラスターボード(石膏ボード)ビスの施工状態となります。
たかがボードビスじゃないかと思われる方もいらっしゃると思いますが、
是非とも興味を持って読んでいただければと思います。

本来ボードビスは省令準耐火の使用でない限り、そのピッチに法的な縛りは存在しません。
その省令準耐火の仕様も法令ではありません。
省令準耐火構造はフラット35の火災保険料の値引き制度の仕様となります。
つまり、何の縛りも存在しない部分だからこそ、明確な基準を設定する事が大切で、
品質向上へ入口となり得るのです。

1枚目の写真では、ビスのめり込みが深く、プラスターボードの紙が切れていたり、
材端に近すぎる為プラスターボードが割れています。
また、このような施工状態をお施主様がご覧になった際に、どの様に思われるでしょうか。
その後のクレームに繋がる恐れがあるのではないでしょうか

2枚目、3枚目の写真では、大工さんの一手間一工夫を感じることが出来ます。
こういった部分にまで気を抜かず、丁寧に丁寧に施工されていれば、
現場を見せるだけで紹介がいただけそうですね。
プラスターボード施工は超品質向上系の工程だと思います。
たかがボードビス。されどボードビス!です!

設計図書内の品質改善

 【コメント】

施工品質の向上のためには、設計視点での改善も欠かせません。
NEXT STAGEの現場監査でも様々なビルダー様の設計図書をお預かりして現場監査をおこなっております。
その中で、設計図書内での表現の癖や見やすさ、見にくさといった内容も数多く散見されます。
現場監査では、現場にお邪魔してチェックさせていただいている際に、
自社基準に適合していない箇所もありますが、設計図書内の表記不整合や表記ミスによっての
不適合箇所も多くあります。
現場の最前線で頑張っていただいている現場監査士様も、設計図書の表記不整合や表記ミスによって
判断に迷ったりする事例は数多くあります。
左側の写真(基礎伏図)には、基礎の人通口の位置が設計図書に落とされており、
凡例にも記載がされています。
一方、右側の写真は一見すると人通口に見えますが、設計図書に記載がなく
凡例にも人通口の記載がありません。
基礎の立上り部の人通口部分と端部の箇所では基礎配筋の考え方が異なり、
基礎業者様も施工時に迷うことがあります。
ビルダー様の協力業者様が工事をしやすい施工目線での設計図書の在り方を考えていくことも、
施工品質の向上には欠かせません。

金物の使用方法

 【コメント】

近年、枠材用ホールダウン(HD)の使用率が各ビルダーとも増えています。
基礎工事の段階で、HDの設置を行いますが、写真のような問題が起きた場合は
枠材用HDの使用が考えられます。
本来、枠材用と一般用のHDではビスの長さが違うだけの問題です。
ビスの取替えによって枠材用HDの施工が可能です。(メーカーにも確認しております)
  
もう一つですが、施工の納まり上枠材(105×30)を柱に取付ける場合は、
性能認定の留付け方で枠材を留め付けないと金物本来の力が発揮できない為、
認定の力が見込めない金物になってしまいます。
使用方法、枠材の留付け方等を、今一度考えていただくことで一層スキルアップに繋がると思います。
その建物で一番力がかかる為に必要になってくる金物なので、使い方の間違いによって
柱から外れる可能性があります。そうなった場合、建物の倒壊に繋がる恐れがあります。
昨年の熊本地震でも、接合部の金物が外れてしまった事例がメディアを通じて報告されていたと思います。
今からでも遅くないと思います。
今一度、正しい施工をされているかを再確認していただければどうでしょうか?
必ず、自分のスキルアップと次現場への対応が変わってくると思います。