空気の流れる道の確保

 

前コラムの繰り返しとなりますが壁通気工法を考える上で押さえるべき3つのポイントは、”❶空気の入口を確保 ❷空気の流れる道の確保(通気層)❸空気の出口の確保”となります。

下の写真は「❷空気の流れる道の確保(通気層)」における不備事例と優良事例となります。通気工法により通気層を設ける主たる2つの目的は、外壁等(1 次防水)から侵入した雨水を防ぎ通気層を通して外部へ排出する「防水」と、「室内や壁体内の湿気を通気層を通して外部へ排出する「排湿」です。空気の流れを妨げると「排湿」ができなくなり、構造材や下地材を腐らせるような不具合が生じたり、建物の耐久性や価値を下げてしまう恐れがあります。

 

こちらの写真は透湿防水シートのたるみが発生している不備事例で、このままの状態でサイディングを施工してしまうと空気の流れを妨げる恐れがあります。たるみの無い施工が望まれます。

一方こちらの写真は透湿防水シートのたるみのない施工に加えて、端部に防水テープを貼りめくれ防止の配慮も行っている優良事例です。

 

 

空気の入口を計画していない

壁通気工法を考える上で押さえるべき3つのポイントは、”❶空気の入口を確保 ❷空気の流れる道の確保(通気層)❸空気の出口の確保”となります。

下の写真は外壁の土台廻りを撮影したものなのですが、横胴縁が通気層を塞いでいます。計画の段階から壁通気層の空気の入口を考慮していなかった「❶空気の入口を確保」に該当する不備事例です。

設計・現場監督・職人のどなたか一人でも「通気層のしくみ」を理解していればこのような施工を防ぐことができたのではないでしょうか。


基礎パッキンの取り付けミス

土台の下に設置する基礎パッキン。
基礎パッキンには通気タイプと気密タイプがありますが、
気密タイプの設置において現場で多い不備を2つ上げると
1つ目は、通気パッキンと気密パッキンの取り付け位置を間違えている事例、
2つ目は、気密パッキンが連続しておらず、隙間が空いている事例となります。

写真は隙間の事例

気密タイプを設置する部位に隙間や通気タイプでの取り付けミスがあると、建物の中に空気が流れ込み、冬場は冷えたり、気密性能が低下し計画的な換気ができなかったりします。
逆に通気タイプの取り付け位置に気密タイプを取り付けてしまうと、床下の換気不足に陥り、湿気がこもり、結露やカビの発生、木材等を腐らせ耐久性を低下させる恐れがあります。

改善につなげる方法としては、隙間については、大工さんに施工方法をしっかり落とし込むこと。取り付け位置の間違いについては、設計図書に位置を落とし込むことが有効です。

ルーフィング留め付けの優良事例

破れやすいアスファルトルーフィング

屋根の下葺材として用いるルーフィング。アスファルトルーフィングや改質アスファルトルーフィング(ゴムアス)があり、前者は施工時に破れやすく、後者の方は弾力性を持つため破れにくいという特性があります。

写真は、アスファルトルーフィングを使った施工で、ステープルで丁寧に固定している事例です。
ステープルを基材に水平に留め付け、ルーフィングを破ることなく固定しています。
屋根板金屋の職人さんの配慮に、気づいてあげてほしいですね!

お施主様への配慮

面材耐力壁や釘の施工の状況を確認する重要な構造チェックの工程(ネクストステージの第三者監査で5回目工程)で、面材耐力壁の上下継ぎ目に防水テープを貼っている現場がありました。

「テープを貼り建物の気密性を向上させているのだろう」と予想し、現場の方に理由を尋ねてみると実は「お客様への配慮」で行っていることだとわかりました。

「雨が当たると、上下の継ぎ目から水が浸入し、面材屋内側面が濡れてしまう」。その結果「美観を損ねる」「お施主様を不安にさせる」ため、対策として気密テープを貼っているとのこと。

お施主様の満足度を向上させる優良事例ですね。