目的を知り、現場をチェックする[通気層]

写真は、透湿防水シートにしわが寄り、横胴縁の通気穴を塞いでしまった例です。



通気層は、空気の入口と出口を作り空気が流れることで、壁の中の水蒸気を外部へ排出することができます。

空気の流れを遮る施工や、入口(水切り部)や出口(軒部)が塞がっていると水蒸気が排出されず壁体内の結露を起こしたり通気層内に水蒸気が滞り外壁の仕上げ材や下地材を劣化させたりします。また、防水という観点からも通気層に侵入した水が抜けないという問題があります。

通気層が15㎜以上あればいいというわけではありません。「空気を流れるようにする」という原則を忘れずに通気層の施工チェックを行ってください。

安全及び清掃への配慮

最近、現場監査で現場にお邪魔した際に現場での安全や清掃に意識を向けられているビルダー様が増えてきている印象を受けます。相対的に、現場の清掃や安全対策が丁寧に行われているビルダー様ほど、現場施工や品質に対する意識やレベルが高く感じます。


写真の1枚目は現場に安全掲示がされていました。
必要のある情報を適切に発信しています。


写真の2枚目は、工事看板の裏に清掃用具が設けられていました。
現場の美化に配慮の意識が感じられるよい事例です。

株式会社NEXT STAGEでは、現場施工の良し悪しだけではなく、このように現場全体で配慮が行き届いている内容もどんどん拾っていき、ビルダー様へフィードバックを行っていきます。

1年半前にお会いした大工さんの現場へ

上の写真は、最近撮影した耐力壁の施工状況を写したものですが釘を深く打ち過ぎることなく、精度高く納められています。同じ大工さんが一年半前に施工したものが下の写真になります。少しわかりにくいかもしれませんが、釘が深く打ち付けられています。




『釘頭が少し出るくらいで機械打ちをしたのち、手で打ち付けられてはいかがですか?手間はかかりますが、確実な施工ができますよ』とさせていただいたアドバイスを受け入れ、それ以降の現場では、実践されていたそうです。

「次に、あった時はパーフェクトにしておきますよ」と言われて「楽しみにしています」とお答えしたことを鮮明に覚えています。当時から、品質への意識が高さがうかがえました。今では、大工仲間の間でルールを決めていて、監査で指摘を受けたところは写真に納め仲間と情報共有をしているとおっしゃっていました。

住宅品質向上を目指す私共としては、できる事から少しずつ確実に実践し、良いものを作り上げる姿勢は尊敬でき、うれしく感じます。

 

見た目も意識した、職人さんの配慮[止水処理]

外壁を貫通するビスの止水処理はどのようにされていますか?
「ビス頭をコーキングで処理」「止水パッキン付ビスを使用」など止水という目的を果たすための手法は複数あると思います。今回、鹿児島県のビルダー様の一例をご紹介いたします。私共が、外装仕上げ材の止水処理の監査をした際、見た感じ外壁を貫通するビスの止水処理を行っているようには見えませんでした。現場の方に止水処理を忘れているのではないかと確認すると「見た目を意識して、ビスを打つ前にコーキングしている」との回答。どのような施工方法をとっているかがわかる写真を後でいただきました。



ただ止水の目的を果たすだけではなく、見た目にも配慮した、職人さんの意識の高さが伺えました。

設計者・施工者の認識不足/大臣認定耐力壁

壁量の計算で、告示仕様の倍率ではなく、大臣認定を受けた高倍率な耐力面材を採用している住宅が多く建築されています。大臣認定を受けた耐力面材は、仕様や施工方法がそれぞれ詳細に決められているのですが、そのことをしっかり認識せずに設計・施工をしているケースがあります。

例えば、耐力面材を使用した告示仕様では、1365㎜(4.5尺)の長さで耐力壁を計画することができても、一部の大臣認定を受けた耐力面材の中には、455幅(1.5尺)で使用が認められず910㎜(3尺)でしか計画できない商品もあります。

※継手間柱は45㎜×90㎜以上

使用方法を間違えると、必要な倍率を確保できず、構造的に問題となることがあります。自社で使用されている商品の仕様や施工方法を、見落としがないか、使用方法を間違えていないか、一度見返してみましょう。
木造の構造関係告示改訂で、高倍率の面材が追加になるので、今後は高倍率の面材も使いやすくなるのではないでしょうか。