「この家、本当にちゃんとできているのかな?」
家づくりが進むにつれ、完成が待ち遠しくなる一方で、ふとした不安がよぎることは珍しくありません。特に柱の位置や断熱材の施工方法など、「外から見えない家の中身」は専門知識がなければ確認が難しいのが事実です。
しかし、実はその「見えない部分」こそが、家の性能や寿命を左右します。
そこで、近年注目されているのが「第三者による住宅品質の検査」です。
これは、建築会社とは独立した専門家が、各工程ごとに第三者の立場から施工を確認する仕組み。言わば、あなたの家づくりを「もうひとつの視点」で見守ってくれる存在です。
私たちNEXT STAGEでは、この仕組みを『第三者ヒンシツ監査』として提供し、住まいの確かな品質を、認定現場監査士(※)という専門家の視点から徹底したチェックを行っています。
今回は、その中でも住宅完成時に行う重要なチェック工程について、引き渡しを目前に控えた段階での監査内容をご紹介します。
「監査士はどこまで確認するのか」
「どんな視点でチェックするのか」
専門家の目があるからこそ得られる、もう一段階上の安心。その中身を、ぜひ一緒に確認してみませんか。
※認定現場監査士とは
NEXT STAGEの認定試験に合格した、建設現場での作業などが決められた企画やルールに沿って行われているかを確認する専門家のことです。
検査とは違う?NEXT STAGEの第三者ヒンシツ監査とは
はじめに、弊社NEXT STAGEが提供する第三者ヒンシツ監査サービスについて簡単にご紹介します。
法令で定められた住宅検査は、配筋・躯体・竣工の3回ですが、この回数だけでは住宅の瑕疵を防ぎきれない可能性があります。
そこで弊社では、住宅の重要な、一度進むと後戻りできない工程を見逃さないために、全10回にわたって第三者の立場から施工状況を確認・評価。住宅品質を確実に守るためのサポートを行っています。
検査と第三者ヒンシツ監査の違いについては別記事で解説しておりますので、併せてご一読ください。 【プロが解説】「後悔しない家づくり」を叶える、10の検査タイミングとは?
10回の監査タイミングは以下の通りです。
今回はその10回目にあたる「建物完成時」の監査になります。
建物のチェックでは、監査士は以下のような道具を使い確認を行います。
コンベックス(巻き尺)、マスキングテープ、懐中電灯、水平器、(撮影用)スマートフォン及び予備撮影装置、上履き(たび靴または運動靴)※リッパ・サンダルは不可でかかとのあるもの、墜落制止用器具、クラックスケール、標尺2本(アルミ製1000㎜・700㎜等)、ヘルメット※10回目の監査では、着用しない、鋼尺、カッパ
また、監査を行う際にはツールとして以下の3つを持っていきます。
- 監査士登録証
- 腕章
- 車両表示板
この段階では表面的な傷や汚れだけでなく、入居後のトラブルの有無を実際の生活をイメージしながら細かく確認します。
さらに弊社では、住宅の品質を「見える化」し、その価値へとつなげる独自開発の施工ツール「Qualiz(クオリツ)」を活用。施工不備が発生した場合は、このツールを通じて関係者全員に情報を共有し、改善状況を一元的に把握できる体制を整えています。
こうした体制のもと、実際の現場では、さまざまな不備や改善点が見つかります。
たとえば、
- ドアや建具の動作不備
- 釘の打ち忘れ
- 消防条例に基づいていない、火災報知器の設置
などが挙げられます。それでは、具体的にどのような点をチェックするのか見ていきましょう。
【チェックポイント①】雨漏りや外壁の劣化を未然に防ぐ!外まわりの徹底点検項目
監査は通常60〜90分ほどで実施します。以下の工事や設置が完了した状態で行うのが基本です。
- 室内清掃の完了
- 内部建具(ドアや引き戸など)の取り付け
- サッシの網戸・面格子の取り付け
- 床・壁の水平・垂直精度の不具合の有無
- 巾木・廻り縁が施工済み
- 畳敷きがある場合は畳の敷き込み済み
- 火災報知機の設置
準備が整えば、いよいよ監査士による最終チェックが始まります。
最初に確認するのは住宅の「外まわり」です。外観の美しさだけでなく、建物の耐久性や安全性に関わる重要な部分です。ここでは、主なチェックポイントをご紹介します。
①地窓の施工状態と通気性
基礎部分に設けられた「地窓」は、床下換気のための重要な設備です。
- カバーの取り付けが確実か
- ネジや部材の固定が十分か
- 通気が妨げられていないか
②基礎にヒビ割れ
基礎に生じたヒビ割れは場合によっては耐久性に影響します。明確な全国基準はありませんが、性能評価を受けている建物では所定の基準に基づき判断されます。
一般的には「JASS5(日本建築学会 鉄筋コンクリート工事標準仕様書)」の数値を参考にし、施工会社が設ける各社の基準とも照らし合わせて確認します。
③外壁に傷
2階以上の高所は、9回目の監査(外装施工完了後仮足場撤去前)で確認済みです。この段階では、主に1階部分の外壁に傷がないかを目視でチェックします。
④窓枠まわりのコーキング
外壁とサッシの隙間を埋めるコーキングの状態を確認します。
- 浮きや剥がれがないか
- 雨水が浸入しそうな隙間がないか
雨水の侵入を防ぐ重要な箇所のため、ムラや欠けがないかを細かく点検します。
⑤給水管まわりのコーキング・止水状態
引き渡し前に、給水管を動かす作業が発生する場合があります。その際、接続部のコーキングが切れていないか、止水が確実かを最終確認します。
⑥軒天のシミ
軒の裏側にシミがある場合は、雨漏りサインの可能性があります。見落としやすい箇所ですが、念入りにチェックします。
⑦外壁の突起物まわり
電気メーターや換気フードなど、外壁に取り付けられた部品まわりに雨だれや汚れが付着していないかを確認しています。
⑧水切り部分の変形
雨水を外へ逃がす「水切り」に、へこみや変形がないかをチェックします。
外まわりは、雨漏り・湿気・カビ・腐食など、住宅トラブルの原因が潜みやすい箇所です。そのため、見た目の仕上がりだけでなく、構造的なリスクまで意識して細部まで確認します。
【チェックポイント②】玄関から室内まで。暮らしの快適さと安全を支える細部チェック
次に、「玄関まわり」や「室内」に入っていきます。
①玄関ドアの動作確認
玄関まわりでは、次の3点を中心に見ていきます。
- 開閉がスムーズに行えるか
- 鍵やドアガードが無理なくかかるか
- 釘の打ち忘れや緩みがないか
特に、釘の打ち忘れはよくある不備事例ですので、細かくチェックします。
②床の状態
床面は、傷やへこみが発生しやすい部分です。
ここでは、深い傷やけがにつながる可能性のある損傷を重点的に確認します。
③壁紙と巾木まわり
壁紙のつなぎ目やコーナー部分に、しわ・隙間・浮きがないかチェックします。
加えて無垢材の場合、季節による温度変化などで伸縮が起こるため、問題がない範囲であれば定期点検の際に再確認することを勧めています。
また、壁と床・天井の境目にある巾木と廻り縁に、隙間・浮きがないかも確認します。ここは見落としやすい箇所でもあるので、細かく確認しています。
④収納・設備まわりの可動部
室内の収納や可動部は、動かしてみることで初めてわかる不具合があります。
- 棚板に軋みやがたつきがないか(手で押さえながら確認)
- ハンガーパイプが固定されているか
- キッチン・洗面台の引き戸を全開した際、他の部材に干渉していないか
- 洗面所の排水管のつなぎ目がしっかり閉められているか
- 洗面所のコーキング部分が低すぎないか(低いと水が溜まりやすく、カビの原因に)
こうした細かな点を確認することで、入居後の使い勝手や水まわりのトラブルを防ぎます。
⑤階段室の安全性
階段は転倒などの事故につながりやすい場所です。ここでは以下の項目をチェックします。
- 踏板の浮きや軋み(床鳴り)がないか
- 手すりの固定が十分か
さらに、室内に設けられたすべての引き戸・開き戸の動作も確認します。
引き戸:ストッパーが正しく機能しているか
開き戸:前回時に壁や取っ手などへ干渉しないか
室内の確認は、安全性・快適性を確保するために欠かせません。ドアや収納、引き戸などの可動部分は、すべて実際に動かしてチェックしています。
【チェックポイント③】見落としがちな設備の設置基準もプロの目で厳しくチェック!
最後に「設備」です。
①火災報知器の設置位置の確認
消防条例に基づき、適切な位置に設置されているかをチェックします。
- 煙式報知器が天井に設置されている場合、壁から60㎝以上離れているか
- 天井設置の場合は、壁から60㎝以上かつエアコンの吹き出し口から1.5m離れているか
- 壁付けの場合は、天井から15~50㎝の高さに設置されているか
基準を満たしていないと消防条例違反となり、機能にも影響が出る可能性があるため、細かくチェックしています。
②コンセントの設置状態の確認
コンセントは、まれに取り付け位置がわずかにずれていることがあるため、水平に設置されているかをチェックします。
設備の中には、設置位置などが条例で決められているものもあるため、基準に沿って丁寧にチェックしています。
今回は、10回目の監査で行うチェック項目をご紹介しました。併せて、実際に不備が多くみられるポイントについて、専門の監査士に取材した記事も今後公開を予定しています。
ご興味がある方は、ぜひご一読ください。
完璧な家はない。でも安心できる第三者チェックが支える家づくり
いかがでしたでしょうか。参考になるポイントも多かったのではないでしょうか。
どんなに丁寧に建てた家でも、「まったく傷がない」ということはありません。多くの業者が関わるため、現場の出入りが多く、その過程で知らない間に細かな傷がついてしまうこともあります。
また、無垢材など自然素材は季節や湿度の変化で伸縮し、どうしても隙間が生じることがあります。これはすぐに修繕すべきものではなく、変化を見ながら適切なタイミングで補修することが大切です。
細かな部分については施工会社と話し合い、許容範囲を確認しながら対応しています。
弊社が提供する第三者ヒンシツ監査は「見えない部分」の品質を公正な立場からチェックし、家づくりの土台となる「安心」を支えています。ご興味がありましたら、是非お気軽にお問い合わせください。