住宅の施工がすべて完了すると、いよいよ住宅の引き渡しを迎えます。しかし、その前に行われる大切な確認があります。
それが「竣工検査」です。
竣工検査とは、建物の施工完了後に施主と施工会社が立ち会い、仕上がりや不具合の有無を確認する引き渡し前の最終検査のことです。
もし引き渡し後に不具合や仕様の違いに気づいた場合、修正に時間がかかることもあります。状況によっては対応に調整が必要になることもあります。
そのため竣工検査では、将来のトラブルを防ぐためにも、施主自身でも細部まで確認しておくことが大切です。
とはいえ、初めて住宅を建てる方は「どこを確認すればよいか分からない」と感じることも多いでしょう。
そこで本記事では、竣工検査の役割や流れ、確認すべきポイントや注意点をわかりやすく解説します。安心して新しい暮らしをスタートするために、引き渡し前の最終チェックである竣工検査について理解しておきましょう。
引き渡し前の「最終確認」!竣工検査と完了検査とは?
「竣工検査では、どこを確認すればよいのだろう」
初めて住宅を建てる方の中には、そう感じる方も多いかもしれません。
竣工検査とは、住宅の施工がすべて完了した後に、建物が図面通りに仕上がっているか、不具合や施工ミスがないかを確認する最終チェックのことです。一般的には、住宅の引き渡し前に施工会社と施主が立ち会って行います。また、設計監理(※)を担当した建築士が同席する場合もあります。
この検査の目的は、住宅が契約内容や設計図通りに完成しているかを確認することです。もし不備や気になる点が見つかった場合は、引き渡し前に補修や修正を依頼できます。ただし、補修の範囲は契約内容や施工基準に照らして判断されます。
※設計監理とは
住宅を設計した建築士などが、施工中の現場を確認し、図面通りに工事が進んでいるかをチェック・指導する業務のことです。
さらに、住宅が完成した後にはいくつかの検査があり、その中には法律に基づいて行われる検査もあります。
それが「完了検査」です。完了検査については次の通りです。
建物の施工がすべて完了した段階で、建物が建築基準法に適合しているかを確認する検査のことです。この検査は、建築主事または指定確認検査機関によって実施されます。主に次のような項目が確認されます。
- 建物の用途や延べ面積、高さ
- 避難経路や構造、安全性
- 採光や換気などの環境性能
そして、これらが事前に提出した「建築確認申請」の内容に一致しているか確認します。それぞれの検査の目的を整理すると、次のようになります。
竣工検査
引き渡し前に、仕上がりや不具合を施主の視点で確認する最終チェック
完了検査
建築基準法に基づき、建物が法的基準を満たしているかを確認する公的な検査
こうした完了検査とは別に、住まい手の視点で仕上がりや使い勝手を確認するための竣工検査は、これからの住まいの快適さや安心感に関わる大切な確認の機会です。
主な理由は3つあります。
- 完了検査は「最低限の法的基準」を確認する検査だから
完了検査では、建物が法律上の基準を満たしているかが主に確認されます。
そのため、断熱性能の細かな部分や内装の仕上がり、傷や汚れといった細部までは確認対象にならないことが一般的です。
実際の使い勝手や仕上がりについては、施主自身が確認することが大切になります。 - 図面通りに施工されているか確認できるから
住宅は設計図に基づいて建てられますが、施工の過程で図面と実際の仕上がりに違いが生じることもあります。
竣工検査は、設計内容をもとに完成状態を確認できる貴重な機会です。施主自身が確認することで、見落としを防ぎやすくなります。 - 不具合は引き渡し前の方が対応しやすいから
新築住宅であっても、細かな傷や不具合が見つかることがあります。
多くの場合、引き渡し前に見つかった不具合は補修対応が行われますが、引き渡し後になると対応に時間がかかったり、調整が必要になるケースもあります。
小さな不具合でも、住み始めてから気づくと日常のストレスにつながることがあります。
「もっと早く確認しておけばよかった」と後悔しないためにも、竣工検査ではしっかり確認しておく必要があります。このように、竣工検査は住宅の完成状態を確認する重要な工程です。とはいえ、「施工のことはよく分からないし、プロに任せているから大丈夫」そう感じる方も多いかもしれません。
では実際に、竣工検査ではどのようなポイントをチェックすればよいのでしょうか。次は、施主でも確認できる具体的なチェックポイントを解説します。

「えっ、そこまで見るの!?」プロの竣工検査チェックポイント!
竣工検査では、住宅が設計図どおりに仕上がっているかを確認するため、外部から内部まで幅広くチェックします。ここでは、弊社の認定現場監査士(※)が確認する主なポイントをご紹介します。
※認定現場監査士とは
家づくりや施工が適正に行われているかを、専門知識を持った第三者の立場で監査・確認する専門家です。
監査士についてより詳しく解説している記事はこちらから
まずは、室内・室外を目で確認し、仕上がりや不具合がないかを確認します。主な項目は以下の通りです。
- 室内の清掃状態
- ドア・収納扉の取り付けと動作
- 窓まわり(網戸・面格子)や火災報知器の設置状況
- 床や壁の水平・垂直
- 巾木(床と壁の境目)や廻り縁(天井と壁の境目)の仕上がり
- 外壁の傷や汚れの有無
目視確認だけで、図面通りに仕上がっているか、引き渡し可能な状態かをある程度把握できます。目視での確認に加え、以下の道具を使ってより正確にチェックします。
- コンベックス(巻き尺):寸法や隙間の測定
- マスキングテープ:傷や汚れのマーキング
- 懐中電灯:暗い場所や奥まった部分の確認
- 水平器:床や壁の傾き確認
これらを使うことで、目視だけでは見逃しやすい不具合も確認できます。
扉や窓などは、実際に開閉して使用を想定したチェックを行います。住宅検査のプロが特に注意すべき部位ごとのポイントは以下の通りです。
■外部仕上(外壁まわり)
- 外壁のひび割れ(幅0.3mm以上は要注意)
- 水切りのへこみ・傷・割れ・汚れ
- 外壁表面の傷や汚れ
■玄関まわり
- 玄関ドアの傷・汚れ・動作
- ドアガードのスムーズな作動
■内部:床・壁・天井
- フローリングや壁紙の傷・汚れ・隙間・亀裂
- コーキング部分の切れ
- 巾木や廻り縁の浮き・隙間
- 天井の傷・汚れ
■建具(サッシなど)
- 金属製(サッシ):開閉のスムーズさ、傷や汚れ、ビスの浮き
- 木製(室内ドア・引き戸):開閉・鍵・ラッチの動作
■収納棚・造作家具
- 扉・引き出しの動作
- ハンガーパイプ・棚板のぐらつき
- 支持金物の固定状態
■階段まわり
- 階段・手すりの位置・ぐらつき
- ビスの打ち忘れや不足(カバー下も確認)
■設備機器まわり
- キッチン・浴室・洗面台・トイレなどの作動
- 扉や引き出しが他の部材と干渉していないか
このようなチェックの中には、施主が自分でも確認できるポイントがわかります。
たとえば、
- ドアや収納扉の開閉
- 床や壁の目立つ傷・汚れ
- 扉や引き出しが他の部材に干渉していないか
一方で、見落としやすい箇所もあります。次は、そうした注意が必要なポイントを見ていきましょう。

「大丈夫そう」が一番キケン! 見落としがちな要注意ポイント4選
竣工検査では「ここは大丈夫そう」と思って見過ごしてしまいがちな箇所ほど、しっかり確認しておきたいポイントです。
-見落としポイント-
- 巾木・廻り縁の浮き
壁と部材の隙間にわずかな浮きが出ることがあります。家具の裏や目線より上下にあるため、見逃しやすい部分です。
→ 薄いカードを差し込んで入るようなら浮きの可能性があります。 - 壁紙の傷・汚れ、コーキングの切れ
クロスの柄によっては傷が目立ちにくく、キッチンや窓まわりのコーキング部分は切れや隙間が起きやすい箇所です。 - 収納棚のぐらつき
見た目はしっかりしていても、軽く押すと動く場合があります。金具の締め付け不足にも注意です。実際に手で触れて、不具合がないか確認しましょう。 - 窓サッシのレール内部
表面に問題がなくても、レール内部のビスが浮いている場合があります。
これらの箇所は、完成状態では気づきにくい部分です。検査中に傷や不具合を見つけた場合は、その場で立ち会い者に伝えるか、近くにいなければ写真やメモで記録しておきましょう。日付や内容を簡単にメモしておくと、後でのやり取りもスムーズになります。
注意深く確認しておくことで、入居後に「もっと早く気づいていれば…」という後悔を防ぐことができます。

あなたの目が守る!マイホームと暮らしの最終確認
竣工検査は、単なる作業のチェックではありません。これから長く暮らす家を安心して受け取るための大切な工程です。プロに任せているからといって、すべてが完璧とは限りません。細かな傷や不具合は、住み始めてから初めて気づくこともあり、後悔につながる場合があります。
逆に言えば、引き渡し前にしっかり確認しておくことで、トラブルを未然に防ぎ、快適な暮らしをスムーズに始められます。
確認のポイントは「見る・触れる・確かめる」です。気になることや違和感があれば、遠慮せず立ち会い者に伝えましょう。このひと手間が、未来の暮らしの安心につながります。
当日スムーズに確認できるよう、チェックリストを用意しておくと安心です。
当日の確認に役立つよう、竣工検査チェックリストをご用意しました。
こちらからチェックリストをご確認いただけます。
納得できる状態で家を受け取り、新しい住まいでの生活を気持ちよくスタートさせましょう。