建築知識がなくても気軽に現場でチェックできる本シリーズ。本メディアを運営する株式会社NEXT STAGEの第三者品質監査の確認項目から、お施主さまでもチェックできるポイントをピックアップして解説します。
第4回は「上棟直後屋根ルーフィング施工完了後」です。
屋根の防水には「屋根ルーフィング」と呼ばれる防水シートを使用します。これは、屋根材の下に敷かれ、屋根材だけでは防ぎきれない雨水の浸入を防ぐという大きな役割を担っています。
今回も簡単にまとめたセルフチェックリストをご用意しています。まずは「なぜその項目の確認が必要なのか」を理解し、ぜひ現場見学の際にお役立てください。
解説:株式会社NEXT STAGE 山下 陽平
有名建築家の案件に携わった構造設計の経験に加え、建築トラブルや裁判対応を数多く支えてきた建築の専門家。現在は監査基準の策定にも関わりながら、第三者の立場で建物調査・監査を行い「建築トラブルのない社会」の実現に取り組んでいる。
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屋根の現場見学・セルフチェックは「安全第一」で
今回の屋根のセルフチェックでは、お施主さまご自身が足場や屋根の上に登って確認することは控えてください。高所での確認はプロにとっても危険を伴うため、転落や大きな事故に繋がる恐れがあり大変危険です。
屋根のチェックを行う際は、無理をせず以下の2つの方法で行う範囲に留めましょう。
- 現場監督や職人さんに撮影してもらった「写真・動画」で確認する
屋根の上の作業内容や仕上がりは、現場のプロに撮影を依頼しましょう。 - 地上から「安全に届く範囲」で確認する
ご自身で目視確認する場合は、必ず安全な場所から行いましょう。
※現場見学やセルフチェックにおける基本的なマナーについては、[第1回の記事]にて詳しく解説しています。現場に行かれる前に、ぜひ改めてご一読ください。
「自分の家だから隅々まで見ておきたい」という気持ちはとてもよく分かりますが、屋根に関しては特に安全性を考慮したセルフチェックで進めていきましょう!

【屋根ルーフィング】施主検査で確認したい3つの項目
ではここからは、セルフチェックについて解説していきます。第4回は「上棟直後屋根ルーフィング施工完了後」です。屋根材を葺いて塞いでしまうと見られなくなってしまう重要なポイントを3つの項目でご紹介します。
【屋根ルーフィングの確認タイミングや注意点】
- 確認できる期間: 屋根下地の上にルーフィング(防水シート)が敷かれてから、屋根材が葺かれて見えなくなるまでの期間(※天候や工程によってはすぐに進んでしまうので事前に工期を確認しましょう。)
- 事前に担当者へ確認すること: 「ルーフィングを施工する日」と「屋根材を葺き始める日」の予定を聞いておきましょう。また、屋根の上はお施主さまご自身で確認はできないため、あらかじめ「ルーフィングを敷き終わった時点で記録写真を撮っておいてほしい」と依頼しておくことが重要です。
チェック項目①ルーフィングに破れがないか
ここでは、屋根からの漏水・浸水や、屋根下地材の腐朽の要因がないかを写真を用いて確認を行います。

- 大屋根ルーフィングに破れ・穴あきがないか
現場担当者へ大屋根ルーフィングの写真を撮影してもらい、破れがないかを確認します。 - 下屋根ルーフィングに破れ・穴あきがないか
現場担当者へ下屋根ルーフィングの写真を撮影してもらい、破れがないかを確認します。
👉ここでワンポイント
屋根ルーフィングは、紙のシートにアスファルトを染み込ませた従来品や、破れにくく加工された改質アスファルト製品などがあります。施工時にカットする際の切れ目から破れるケースや、下地材の釘頭が少し浮いていて、ルーフィングを敷いた際に釘が突き抜けて穴が開いてしまうケースもあります。いずれにせよ、そこから漏水・浸水してしまい、雨漏りの原因となりますので、破れを見つけた場合は補修をお願いしましょう。
チェック項目②ルーフィング三面交点の止水処理
三面交点(さんめんこうてん)とは、屋根と壁が立体に交わる取り合い部のことです。平面では1枚のシートで張り上げていきますが、3方向からシートを重ねて施工するため、小さなすき間(ピンホール)が発生しやすい部分となります。

- 三面交点の止水処理がされているか
三面交点ではテープを使用して止水処理を行います。止水処理が不足していると、そこから水が浸入し、雨漏りの原因となりますので、処理が行われているか確認しましょう。
👉ここでワンポイント
テープの止水処理がされていても、ピンホールの部分までテープがしっかり密着していない場合もあります。ルーフィングシートの切れ目だけでなく、三面が交わるピンホールまで確実に塞がれているかを確認しましょう。
チェック項目③その他の三面交点部の止水処理(天窓・煙突まわり)
屋根部分だけでなく、建物の形状や設備によって発生する各所の三面交点部も止水処理が必要です。
- 天窓・煙突などの三面交点部の止水処理がされているか
開口部の立ち上がり部分やコーナー部は、特に雨水が伝いやすい弱点部位です。防水テープや専用の部材ですき間なく施工されているかを確認しましょう。

万が一不安を感じたら?施主検査での相談3ステップ
4回目となる「上棟直後・屋根ルーフィング施工完了後」のチェックポイントはいかがでしたでしょうか。
今回のチェックポイントはご自身で直接確認するのが難しい部分となりますので、事前に写真の依頼をしておきましょう。また、天候によっては、屋根ルーフィング施工後すぐに屋根材まで仕上げる場合もあります。写真を撮ってもらうこと、そして万が一施工不良が見つかった場合には、早めに相談して改善してもらったうえで、屋根材の仕上げを進めてもらうようにしましょう。
【不安や疑問を解決する相談3ステップ】
- まずは現場担当者や営業担当に相談
「指摘・追及」するのではなく「相談」する姿勢で事実確認をします。 - 回答に納得できない・判断に迷う
「専門用語で丸め込まれている気がする」「本当にその修正方法で大丈夫?」と不安が残る場合。 - 第三者の専門家に相談
施工会社以外の利害関係のないプロに、客観的な意見を求めます。
Housing journeyでは、住宅施工セカンドオピニオンを実施しています。専門家への相談に迷われている場合はお気軽にご相談ください。(※建築状況によりお受けできない場合もございます。)
【住宅施工セカンドオピニオン】
- 相談方法:相談ごとや現場で撮影した写真をスマホから専用LINEで送るだけでOK
- 費用目安: 255,000円(税抜)〜(※監査回数によって価格が異なりますのでお問い合わせください)
- 回答目安: 最短当日(※内容や混雑状況によりお時間をいただく場合があります)
これまでご紹介したチェック項目を、現場で確認しやすいようチェックリスト化しています。設計図書と併せて、現場でのセルフチェックにぜひご活用ください。
納得のいく家づくりと良い引き渡しを迎えるために、万が一施工不良に思える箇所が見つかったり、不安に思う点がある場合は、決して「指摘・追及」するのではなく「まずは担当者に相談・確認する」という姿勢を大切にしましょう。お互いに配慮を持ったコミュニケーションが、満足度の高い家づくりにつながります。
次回の「構造躯体施工完了後・外壁防水シート施工前」の施主検査チェック編は、11月11日(水)更新予定です。ぜひ次回もご覧ください!
<これまでの施主セルフチェックリスト記事>
1回目:基礎配筋のセルフチェックポイント5項目
2回目:基礎立ち上がりのセルフチェックポイント3項目
3回目:土台施工のセルフチェックポイント6項目


