セルフチェックリスト付きで解説する本シリーズ。今回からは、家づくりの要である「基礎や構造」の現場チェック編がスタートします!

建築知識がないお施主さまでも気軽に確認できるよう、第三者品質監査を行う(株)NEXT STAGEのチェック項目から、現場で見られるポイントを厳選して解説します。

第1回は「基礎配筋」です。

住宅を支え、土台となる基礎配筋。ただ鉄筋が並んでいるだけのように思えるかもしれませんが、実は事前に計算され、何本必要なのか、どの太さ・種類を使用するのかが建築前に綿密に設計されています。今しか見られないこの状態を、ぜひご自身の目で確認しておきましょう。

簡単にまとめたセルフチェックリストをご用意しています。まずは「なぜその項目に確認が必要なのか」を理解し、ぜひ現場見学の際にお役立てください。

解説:(株)NEXT STAGE 山下 陽平
有名建築家の案件に携わった構造設計の経験に加え、建築トラブルや裁判対応を数多く支えてきた建築の専門家。現在は監査基準の策定にも関わりながら、第三者の立場で建物調査・監査を行い「建築トラブルのない社会」の実現に取り組んでいる。

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施主セルフチェックのルールと掟

まずはセルフチェックをするにあたって、知っておいていただきたいことと、お約束いただきたいことがあります。

  • 家づくりは手づくりだということ
    家づくりは職人さんが現場で1棟ずつ手作業で仕上げていくもので、完成するまでに30以上もの業者が入ります。そのため、ミスを完全にゼロにしてつくり上げるというのは難しいのが現実です。
    もちろん、法令違反や、設計図書通りに施工されていないなどのミスを残したまま引き渡すことは絶対にあってはなりませんが、許容される誤差の範囲があることはご理解いただきたいポイントです。

  • ネットの情報を鵜呑みにしないこと
    私たちもさまざまな情報を発信していますが、あくまで弊社の基準をもとにした情報です。そのため、すべての住宅にそのまま当てはまるとは限りません。ネットで見かけて不安になるお気持ちはわかりますが、まずはご自身の設計図書と見比べて、気になる点があれば、現場監督や担当営業に相談し、回答をもらうようにしましょう。

  • 現場に行く際は担当者に一声かけること
    ご自身の家とは言っても、施工途中であり引き渡し前までは施工会社の管理下にあります。現場には危険な工具や、怪我の原因になるものがたくさんあります。そのため現場に行き施工を確認したい場合は、事前に担当者へ連絡し、服装にも注意したうえで、ヘルメットを着用して確認をするようにしましょう。

家づくりは、どこまでいっても人と人とのつながりです。気持ちの良い引き渡しを迎えるために、お施主さまとしても配慮を行い、互いにコミュニケーションを取り合いましょう。

以上のお約束を守って、セルフチェックを進めていきましょう!

ではここからは、セルフチェックについて解説していきます。1回目は「基礎配筋チェック」です。コンクリートが打設されてしまうと見られなくなってしまう配筋を、見られる段階で確認しておきましょう。

【基礎配筋】施主検査で確認したい5つの項目

ここからは、実際のセルフチェックについて解説していきます。今回はコンクリートが打設されてしまうと見られなくなってしまう配筋について、5つの項目でご紹介します。

【基礎配筋の見学のタイミングや注意点】
見学できる期間: 鉄筋が組み上がってから、コンクリートが流し込まれる(打設される)までのわずか数日間のみ
持ち物:設計図書(図面や仕様書)、ペン(マーカーなど)、マスキングテープ、カメラ(スマートフォン)
事前に担当者へ確認すること: 着工前に「配筋完了日」と「コンクリート打設日」の予定を聞いておき、見学したい旨を事前に伝えておきましょう。


チェック項目①配置

配置は、敷地に対して計画通りに建物が配置されているかを確認するために行います。

  1. 玄関と前面道路の位置関係は配置図・平面図通りか
    玄関を基準にすることで、正確に位置を把握することが可能です。
  2. 敷地境界からの離れ距離は設計図書通りか
    隣地境界がはっきりとしている場合は大まかな確認が可能です。

👉ここでワンポイント
建物が90度回転して施工が進んでしまっていた、という事例があります。外構計画にも関わりますので、建物の位置のズレは配置図と照らし合わせ、大まかに確認しておくと良いでしょう。

 


チェック項目②スラブ筋(底面の鉄筋)

スラブ筋は、基礎の底面に網目状(縦横)に張り巡らされた鉄筋です。家全体の重さを「面」で受け止めて地面に分散させる役割があります。ここが正しく組み上げられていないと建物全体の強度に影響するため、鉄筋の太さや間隔を確認します。

  1. スラブ筋の太さは設計図書通りか
    設計図書には、使用するスラブ筋の太さの記載があります。仕様通りの鉄筋が使用されているかは、コンベックス(メジャー)を活用すれば確認可能です。
  2. スラブ筋の間隔は設計図書通りか
    間隔も太さ同様に、仕様通りに施工されているかをコンベックスで確認可能です。
    ※鉄筋の表記例:D13@250→直径13mmの異形鉄筋を250mm間隔で施工する

👉ここでワンポイント
スラブ筋の間隔には多少の誤差が発生する可能性があります。指定された太さ・本数が確保されており、数ミリ程度の誤差であれば構造上大きな問題になることは少ないですが、大幅なズレが見受けられた場合は相談するようにしましょう。

 


チェック項目③基礎立ち上がり

基礎の立ち上がりは、上部の建物荷重を支え、バランスよくスラブに力を伝えられるようにするために確認を行います。

  1. 立ち上がり上下の主筋の太さは設計図書通りか
    立ち上がりの上部と下部を通る主筋(メインとなる横方向の鉄筋)の太さを確認します。スラブ筋と同様にコンベックス(メジャー)を当てて計測可能です。
  2. 立ち上がり上下の主筋の本数は設計図書通りか
    立ち上がり上端・下端に配置されている主筋の本数を、設計図書の記載(例:上部2本・下部2本など)と見比べながら目視で数えて確認します。
  3. 立ち上がり・地中梁の縦筋の太さは設計図書通りか
    立ち上がりや地中梁に縦方向に配置されている鉄筋の太さを確認します。こちらもコンベックスで直径を測り、図面指示通りの規格(D10やD13など)かチェックしましょう。
  4. 立ち上がり・地中梁の縦筋の間隔は設計図書通りか
    縦筋と縦筋の間隔(ピッチ)をコンベックスで測ります。図面に記載されている間隔(例:200mm間隔など)通りに並んでいるか確認します。

 


チェック項目④防湿フィルム

防湿フィルムは、地盤からの湿気を床下に通さないことと、コンクリートの水分を地盤に吸収させないようにするために確認を行います。

  1. 防湿フィルムに破れがないか
    防湿フィルムに破れがあると、湿気対策やコンクリートの品質確保に支障が出ます。基礎全体を見渡し、フィルムに大きな破れがないかを確認しましょう。

 


チェック項目⑤構造金物

構造金物は、地震などの大きな力がかかった時に、建物が浮き上がらないようにするために確認を行います。

  1. ホールダウンアンカーの位置は設計図書通りか
    設計図書に記載されている位置にあるか、明らかな施工漏れがないかを目視で確認します。

万が一不安を感じたら?施主検査での相談3ステップ

着工して最初の確認となる「基礎配筋」の施主検査の内容は理解できましたでしょうか。基礎配筋は建物の力を地面に伝える重要な役割があり、施工不良があると本来の耐力が確保できません。

この記事で紹介しているのはあくまでお施主さまご自身で確認できるポイントです。もし、現場で「施工不良かもしれない」「これは大丈夫なのかな?」と不安に思う箇所を見つけた場合は、以下のステップで対応しましょう。

【不安や疑問を解決する相談3ステップ】

  1. まずは現場担当者や営業担当に相談
    「指摘・追及」するのではなく「相談」する姿勢で事実確認をします。
  2. 回答に納得できない・判断に迷う
    「専門用語で丸め込まれている気がする」「本当にその修正方法で大丈夫?」と不安が残る場合。
  3. 第三者の専門家に相談
    施工会社以外の利害関係のないプロに、客観的な意見を求めます。

Housing journeyでは、住宅施工セカンドオピニオンを実施しています。専門家への相談に迷われている場合はお気軽にご相談ください。(※建築状況によりお受けできない場合もございます。)

【住宅施工セカンドオピニオン】

  • 相談方法:相談ごとや現場で撮影した写真をスマホから専用LINEで送るだけでOK
  • 費用目安: 255,000円〜(※監査回数によって価格が異なりますのでお問い合わせください)
  • 回答目安: 最短当日(※内容や混雑状況によりお時間をいただく場合があります)

これまでご紹介したチェック項目を、現場で確認しやすいようチェックリスト化しています。設計図書と併せて、現場でのセルフチェックにぜひご活用ください。

良い引き渡しを迎えるため、万が一施工不良に思える箇所が見つかったり、不安に思う点がある場合は、まずは現場担当者や営業担当に、その内容を伝え、回答や判断を仰ぐようにしましょう。円滑なコミュニケーションと満足のいく家づくりにつながります。

次回の「基礎立ち上がり型枠施工後コンクリート打設前」の施主検査チェック編は10月14日(水)更新予定です。ぜひご覧ください!