建築知識がなくても気軽に現場でチェックできる本シリーズ。本メディアを運営するNEXT STAGEの第三者品質監査の確認項目から、お施主さまにもチェックできるポイントをピックアップして解説します。

第3回は「土台据付施工後」です。

土台は、家全体の重みや地震などの大きな力を柱から受け止め、基礎へ伝える重要な役割を担っています。その役割をしっかりと果たすためには、基礎との緊結がとても重要です。まずは土台が問題なく施工されているか、そして基礎と土台がしっかりと緊結されているかを中心に確認を進めていきます。

今回も簡単にまとめたセルフチェックリストをご用意しています。まずは「なぜその項目に確認が必要なのか」を理解し、ぜひ現場見学の際にお役立てください。

解説:(株)NEXT STAGE 山下 陽平
有名建築家の案件に携わった構造設計の経験に加え、建築トラブルや裁判対応を数多く支えてきた建築の専門家。現在は監査基準の策定にも関わりながら、第三者の立場で建物調査・監査を行い「建築トラブルのない社会」の実現に取り組んでいる。

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現場見学・セルフチェックにおける「3つのお約束」

セルフチェックを始める前に、ご家族で以下の3つのポイントを共有しておきましょう。

  • 家づくりは手づくりであること
  • ネットの情報を鵜呑みにせず、疑問は担当者へ
  • 現場に行く際は必ず事前連絡を

※これらのポイントがなぜ大切なのか、現場での具体的なマナーや注意点は、[第1回の記事]にて詳しく解説しています。見学前に必ずご一読ください。

以上のお約束を守って、セルフチェックを進めていきましょう!

ではここからは、セルフチェックについて解説していきます。第3回目は「土台据付の施工後」です。

【土台】施主検査で確認したい6つの項目

今回は床下地(合板など)が張られ、工事が進むと見られなくなってしまう土台や基礎立ち上がり周辺について、6つの項目でご紹介します。

【土台施工の見学のタイミングや注意点】

  • 見学できる期間: 土台の据付(土台敷き)が始まってから、床下地(合板など)が張られて伏せ込まれるまでのわずか数時間
  • 持ち物:設計図書(図面や仕様書)、ペン(マーカーなど)、マスキングテープ、カメラ(スマートフォン)
  • 事前に担当者へ確認すること: 「土台施工の開始日時」と「床下地(合板)を張る日時」の予定を聞いておき、見学したい旨を伝えておきましょう。

チェック項目①立ち上がりコンクリートの出来形

ここでは、立ち上がり部分の仕上り形状及びコンクリートが長期的に劣化する要因がないかを目視確認を行います。

  1. 立ち上がりコンクリートの高さ・幅は設計図書通りか
    設計図書に記載されている高さや幅になっているか、コンベックス(メジャー)を使って確認しましょう。
  2. コンクリートにクラック(ひび割れ)がないか
    コンクリートに大きなクラックがないかを目視確認します。クラックの許容範囲や危険度については、主に以下の基準や参考値が用いられています。

【日本建築学会「JASS 5(鉄筋コンクリート工事)」】
業界の仕様書では、外周外側の直射日光、風や雨が当たる劣化環境で0.3mm以下、それ以外は0.5mm以下が許容範囲とされています。

【平成12年建設省告示第1653号「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」】
住宅性能評価を受けた住宅のトラブル等で適用される法律上の基準です(条件に該当しない場合でも判断の参考値となります)。
・0.3mm未満:構造耐力上の瑕疵(欠陥)が存在する可能性が低い
・0.3mm以上〜0.5mm未満:瑕疵が存在する可能性が一定存在する
・0.5mm以上:瑕疵が存在する可能性が高い

0.3mmがひとつの目安となりますので、気になるひび割れを見つけた場合はクラックスケールなどで測ってもらうと安心です。

👉ここでワンポイント
クラックはコンクリートの乾燥時の収縮により起きる可能性が高いものです。全てのクラックが強度に影響があるわけではありません。不安に感じた時は担当者に伝え、クラックスケールなどで詳しく確認してもらうようにしましょう。


チェック項目②土台の施工

土台は、上部構造体を支え、基礎へ力を伝達する役割を担っています。そんな重要な役割のある土台に施工不良がないか確認しましょう。

  1. 土台に大きな欠けがないか
    土台の木材をはめる際に、木材が欠けてしまう場合があります。そういった欠けが起きていないかを確認します。
  2. 土台にアンカーボルト・ホールダウンアンカーボルトの穴あけミスがないか
    アンカーボルト類は、コンクリート打設前にあらかじめ基礎へ設置しておく金物です(※詳しくは[第2回「基礎立ち上がり」の記事]をご覧ください)。土台の施工では、この金物を通すために木材に穴をあけて設置しますが、その穴あけ位置がズレていないか、木材の端に寄りすぎていないかを確認します。

👉ここでワンポイント
小さな欠けがすぐ強度不足につながるわけではないと言われていますが、地震などの大きな力がかかった際に土台のひび割れの原因となってしまいます。そのため、欠けや穴あけミスがあった場合は、埋木や専用の補修材による補修をしてもらうと安心です。


チェック項目③アンカーボルトの施工

アンカーボルトは地震などの強い力がかかったときに、上部の木構造にかかる外力を基礎に正しく伝える役割があります。ここでは基礎と土台が正しく緊結されているかを確認します。

  1. アンカーボルトのスクリューワッシャーに浮き上がり・締め忘れがないか
    締め忘れやゆるみがないかを確認します。万が一見つけた場合はよく締め込んでもらいましょう。


チェック項目④ねこ土台の施工(基礎パッキン)※連続配置の場合

ねこ土台は、住宅の床下の換気を行うために、基礎と土台の間に敷く通気部材のことです。基礎(コンクリート)からの湿気が土台の木材へ浸透するのを防ぎ、床下内部の換気量を確保します。基礎と土台の間に挟み込み固定することで施工が完了となります。

  1. ねこ土台が突き合わされて施工されているか
    連続配置の場合はねこ土台がすき間なく設置されているかを確認しましょう。工法によっては、部分配置の場合もありますので、ご自身の住宅の仕様に合わせてご確認ください。

👉ここでワンポイント
この記事では建築用語である「ねこ土台」と表記していますが、実際の現場や打ち合わせでは、城東テクノ(株)の商品名(商標)である「基礎パッキン(キソパッキン)」と呼ばれることもあります。どちらも同じものを指していますので、現場で「基礎パッキン」と説明された際もご安心ください。


チェック項目⑤床束の施工

床束(ゆかづか)は、大引き(※)がたわんだり浮いたりせず、水平を保てるようにするために設置します。
※大引き(おおびき)とは、1階の床を支えるために水平方向に架け渡された木材(横架材)のことです。

  1. 床束が固定されているか
    床束は鋼製束(こうせいづか)が主流で、 基礎コンクリートとボンドで固定されているかを確認します。設置されただけで、固定が漏れているケースもあるため注意が必要です。

👉ここでワンポイント
かつては木製の床束が主流でしたが、木の乾燥や収縮による床鳴り、シロアリ被害を防ぐため、最近では腐食しにくく高さ調整がしやすい「鋼製(金属製)」や「樹脂製」のものが広く使われています。


チェック項目⑥断熱材の施工

ここでは基礎や土台施工の際に施工される断熱材の確認を行います。

  1. 断熱材の種類や厚みが設計図書通りか
    住宅の断熱工法には「床断熱」と「基礎断熱」の2種類があり、ご自宅の仕様に合わせてどちらか一方が施工されます。どちらの工法かを確認したうえでチェックしましょう。

万が一不安を感じたら?施主検査での相談3ステップ

3回目となる「土台の施工後」のチェックポイントはいかがでしたでしょうか。土台は住まい全体の構造を支える非常に重要な役割を担っています。チェック項目は多岐にわたりますが、どれも安全な家づくりのために欠かせないポイントばかりです。

この記事で紹介しているのはあくまでお施主さまご自身で確認できるポイントです。もし、現場で「施工不良かもしれない」「これは大丈夫なのかな?」と不安に思う箇所を見つけた場合は、以下のステップで対応しましょう。

【不安や疑問を解決する相談3ステップ】

  1. まずは現場担当者や営業担当に相談
    「指摘・追及」するのではなく「相談」する姿勢で事実確認をします。
  2. 回答に納得できない・判断に迷う
    「専門用語で丸め込まれている気がする」「本当にその修正方法で大丈夫?」と不安が残る場合。
  3. 第三者の専門家に相談
    施工会社以外の利害関係のないプロに、客観的な意見を求めます。

Housing journeyでは、住宅施工セカンドオピニオンを実施しています。専門家への相談に迷われている場合はお気軽にご相談ください。(※建築状況によりお受けできない場合もございます。)

【住宅施工セカンドオピニオン】

  • 相談方法:相談ごとや現場で撮影した写真をスマホから専用LINEで送るだけでOK
  • 費用目安: 255,000円(税抜)〜(※監査回数によって価格が異なりますのでお問い合わせください)
  • 回答目安: 最短当日(※内容や混雑状況によりお時間をいただく場合があります)

これまでご紹介したチェック項目を、現場で確認しやすいようチェックリスト化しています。設計図書と併せて、現場でのセルフチェックにぜひご活用ください。


良い引き渡しを迎えるため、万が一施工不良と思われる箇所が見つかったり、不安に思う点がある場合は、まずは現場担当者や営業担当に、その内容を伝えて回答や判断を仰ぎましょう。円滑なコミュニケーションと満足のいく家づくりにつながります。

次のステップである「上棟直後屋根ルーフィング施工完了後」の施主検査チェック編を公開しました!続けてぜひご覧ください。

👉 上棟直後屋根ルーフィング施工完了後の施主検査チェックポイント

<これまでの施主セルフチェックリスト記事>

1回目:基礎配筋のセルフチェックポイント5項目
2回目:基礎立ち上がりのセルフチェックポイント3項目