「家づくりの哲学」では、住宅建築において消費者が「どんなところで具体的に見極めたらいいのか?」という疑問やポイントを解説しています。

そこで第6回の今回は、多くの方が悩むテーマのひとつである「住宅購入・家づくりのベストタイミング」についてお話しします。

住宅購入を計画するうえで、いつどのタイミングで契約・購入をするのかは、とても悩ましいテーマなのではないでしょうか。人生の大きな節目と住まいの計画は密接に関わるため、その判断は簡単ではないものです。

そこで本記事では、元ハウスメーカー営業というプロの視点から、家づくりを検討する際に押さえておきたいタイミングの考え方や判断基準について解説します。これから住まいづくりを考える皆さまの参考になれば幸いです。

家づくりを検討するタイミングはいつ?

家づくりを検討されている方々がよく悩まれることとして「そもそも、どんな時期に家を建てたら良いのだろうか」という疑問は、かなり多いのではないでしょうか。  

特に新築を検討される方で最も多い30代前半の一次取得者層であれば、おそらくお子さまが小学校などに進学される時期と重なり、年度替わりの3月までには新たな学区の新居でスタートしたいという方や、また年末までには完成させて、新年を健やかに新居で迎えたいという方もいらっしゃると思います。  

家を建てるベストな時期について、やはり上記のようなライフイベントを中心に考えることは非常に重要なことであるため、これも見極めるポイントのひとつだと言えます。

ただ、ライフイベント以外にも案外知られていないベストなポイントを解説します。

ポイント1:建物にとって有利な「季節」

1つ目として、工事を進めていく上で、建物にとって非常に有利な季節があることをご存知でしょうか。  

具体的に例を挙げると、建物の土台となる基礎工事ですが、コンクリートを打設する上では、真夏や真冬といった気温が極端に高かったり、低かったりする場合、ひび割れや凍結のリスクがあります。

そのため、4月〜5月頃の春季や、10月〜11月頃の秋季の着工がベストな時期であると言われています。また、この時期は天候による遅延なども少ない期間なので、住宅の品質面においても、非常に有利だと言えるでしょう。

ポイント2:税金や制度で得をする「お金」のタイミング

2つ目は、税金と住宅ローンのタイミングです。特に注目いただきたいのは、固定資産税や住宅ローン控除、補助金に関する部分です。

まず固定資産税は、毎年1月1日時点で建物が存在しているか否かが基準になります。新築住宅については一定期間、建物分の固定資産税が減額される特例がありますので、ぜひ押さえておきましょう。

また、住宅ローン控除や補助金についてですが、年度ごとに予算上限や還付期間など制度の内容が変わるため、常に最新の制度情報をしっかり確認し、利用しやすい時期を狙っていくのも、かなりお得になるポイントです。

ポイント3:住宅会社の「決算期と閑散期」

3つ目は、依頼される住宅会社の決算期と閑散期です。

特にハウスメーカーを筆頭に、3月末の本決算に合わせてキャンペーンを実施していたり、決算対策として、比較的価格交渉に応じやすかったりするタイミングでもあります。この辺りの時期に契約を持っていくと、割安に購入できたり、特典がたくさんもらえる可能性が高いと言えます。  

一方、冬のような閑散期については逆に工事量が少なく、職人さんたちのお仕事に空きがある状況ですので、このような閑散期に進める工事は、いつも以上に丁寧な施工が期待できるため、結果として高品質な住宅に仕上がる確率が高くなるでしょう。

あなただけのベストタイミングを見出そう

近年では、住宅ローン金利や建築資材の価格が上昇傾向にありますので、できるだけ早い段階で計画を進めながら、上記のポイントを加味し、ご自身のベストタイミングを見出していただきたいと願っております。

編集長のあとがき: 私の「たられば」な後悔から伝えたいこと

今回のベストタイミングのポイントについていかがでしたでしょうか?

実は、編集長である私も子どもの出産をきっかけに住宅購入を考え始めたひとりで、さまざまな企業を回って話を聞くうちに、タイミングの重要性を身をもって実感しました。

たとえば建売住宅であれば、3月引き渡しの物件は価格の融通が利きやすかったり、会社の決算期を狙うことで魅力的な特典が盛りだくさんだったりと、何度も心が揺らぐチャンスがあったのです。

しかしどうしても決断できず、結果として3年以上悩み続けてしまい「なぜあの時買わなかったんだろう…」「もっと早く決断できていれば」といった、今さら言っても仕方のない後悔が押し寄せてくることがあります。

しかし、その後悔がなければ、この「Housing journey」というメディアも誕生していませんでした。そう考えると、私の苦い経験が皆さまの家づくりのヒントになり、少しでもお役に立てているなら、これほど救われることはありません。

物価高が続く昨今、住宅市場に限らず「今こそが一番の買い時(最安値)」という局面は多く存在します。

「あのとき動いていれば」と後悔する前に、今回ご紹介したポイントを参考にぜひ一歩を踏み出してみてください。皆さまが少しでも賢く理想の住まいを手に入れ、素晴らしいマイホーム生活をスタートできることを心より応援しております。