皆様、新年あけましておめでとうございます。本年も何卒ご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
さて、2026年がスタートいたしました。今年は60年に一度巡ってくる「丙午」(ひのえうま)で、由来は火のエネルギーが二重に重なることから、非常に情熱的かつパワフルな活力ある年とされています。昨年は法改正を含む、住宅業界にとっては様々な混乱がありましたが、今年は皆様方の企業としての具体的な取り組みに対する行動量がきっと自社の成長に大きく寄与していくことと、心より祈念いたしております。
AIは年々目まぐるしいスピードで進化してきています。皆様にとっても、なんとなく手放せないリソースの一部となっているのではないでしょうか。ただ便利だからという安易な動機で利用していれば、必ずや利便性の裏側には人としての副作用が生まれてくるものです。つまり、人の存在価値までも喪失させていく恐ろしい武器でもありますので、やはり人がどのようにこれからAIと向き合っていくのかということをしっかりと考えていく必要があります。
施工管理という分野においてもDX化の波はこの数年で大きく普及しました。きっと皆様の日々の仕事の中には、本来、人がやるべき主体的な価値あるシゴトと、そもそもヒトが時間をかけてやらなくてよいムダな付帯的なシゴトが存在します。一般的に主体業務とは「コア業務」とも言われ、企業や個人の価値を生み出し、直接的に売上や利益に貢献する業務を指します。一方、付帯業務とは「ノンコア業務」とも言われ、主体業務のための準備業務などの関連業務や段取り業務を指します。
では工務部門において「主体的な価値あるシゴト」とは何でしょうか?
工務部門は施工管理を担う部門ですが、全国の住宅会社さまに聞くと、しばし「施工のための段取り業務」と言われる方も沢山いらっしゃいます。この表現を用いれば、工務部自体がそもそも付帯業務のための存在価値の低い組織と代弁していることになります。この思考でDX化を推進すると「現場監督レスの管理体制」や「カメラを使った遠隔管理体制」といった漠然とした包括管理発想傾向に流れていきます。
逆に、工務部門を「施工管理=主体業務」と捉えた場合、施工管理業務が価値を生み出すという発想になります。戸建住宅における施工管理とは、原価管理・工程管理・受発注管理・情報管理・納材管理・品質管理・安全管理・環境保全の8つの業務を指しますので、各々の管理に対する人が行うべき主体業務と人がやらなくてよい付帯業務をそれぞれに分解していく必要があるのです。
工務部門における主体業務というと、売上に直結するの?利益に直結するの?の疑問に思われる方も多いかと思いますが、実は営業の成果にかかわる売上以外、すべて製造部門の成果に関わっています。例えば、原価管理精度が低ければムリやムダが増加し、実行予算通りの完工粗利が捻出できませんし、工程管理精度が低ければ、手戻りや手待ちが増加し、原価に大きく影響してきます。また、品質管理精度が低ければ、手直しややり替え、または訴訟といったところまで発展すれば、営業利益そのものまで影響し、経営まで揺るがしてしまいます。住宅会社の収益の根幹は、お客様との契約内容をしっかりと網羅し完成させることが本来の役割であり、それを実現してこそ初めて対価をいただく仕組みなのです。
それでは、施工管理の8つの業務を一部分解してみましょう。
例えば、当社がメインとして扱っている「品質管理」を例に挙げてみると、品質管理業務は、着工から竣工までのそれぞれの工程の中で、約30業者近い協力業者が現場で施工を行います。つまり、30人が1つの現場に介在するということは、すべての作業工程に「ヒトの作業ムラ」が発生するということです。この作業ムラを、いかに軽減し、フラットにしていくのが現場監督の品質管理力となります。では、現場監督という技術者の存在価値として、絶対にやらなくてはいけないシゴトは何でしょうか?
その答えは、施工段階であるべき施工を実施しているか否かを「判断する」ことです。判断した結果、当然間違えや失敗もあるでしょうし、その場合はベストな状態に修正して前に進めるという単純なことを愚直にさえできれば、必ず安定した施工品質を実現することができます。つまり、この「判断をして前に進める」ということを人が見識をもって実施することを価値と認識しない限り、現場監督の存在価値もなくなってしまう訳です。逆にその判断するための準備業務や段取り業務にこそ、DXという効率的なツールを上手く使うことが、正しいデジタル化への一歩となるでしょう。
決して施工管理アプリで写真を撮ることは現場監督の主体業務ではありません。あくまで判断して前に進めることが主体業務であり、エビデンスを残すことは付帯業務です。そう考えれば、現場にもいかずに遠隔で施工状況を判断するという乱暴な行為は、言うまでもなく不可能であることは皆さんも想像できるはずです。逆に現場の出来形の確認程度であれば、十分DXで発揮できる領域でもありますし、やみくもに訪問工数を削減するのではなく、訪問時の目的や動機をしっかり持った行動計画を事前に組み、現場で人が価値を出して実施すべきことと、行かなくてもDXを使って確認することをしっかりと仕分けしておくことが重要なことです。
これまでのコストや量の時代を経て「本質の時代」に突入してきました。同質化する住宅業界の本当の競争優位性は、短期間ではそう簡単に体系化できない「製造力」という企業の実力にあります。施工管理における重要性は、経営においても収益に大きく直結するクリアすべき経営課題の1つとなるでしょう。
2026年1月7日に、弊社はエンドユーザー向けのオウンドメディア「Housing Journey(ハウジングジャーニー)」を公開いたしました。近年ではSNSが普及する中、ユーザーの求める要求レベルも上昇し、家づくりに関する品質や実質性能といった、これまで専門家しかわからなかった見えない技術力といったテクニカルな部分も求められていく時代となりました。そのような環境下だからこそ、全国には地域で良質な家づくりにチャレンジしている優秀なつくり手たちも徐々に増えているので、そんな一生懸命なつくり手の皆様を全国のユーザーに知っていただける機会をメディアを通じてご紹介していきたいと考えております。
2026年こそ、もう一度、自社の製造管理体系や仕組みを根本から見直し、次の時代への基盤づくりを本格的に準備していっていただけたら嬉しく思います。弊社NEXT STAGEは、新築のみならず、リノベーションおよびリフォームに関する正しい製造体系の環境構築から評価、そして教育を一貫させた製造ソリューションサービスを充実させておりますので、是非ともお気軽にお声をおかけいただけたら幸いです。