『購買視点での本質的な未来の建物価値を創造する①』

日本の人口構造による世帯数の減少が、今や空き家の増加という課題となって
大きな社会問題となってきた。
当然、行政としても具体的な対策を取っていかなくてはならない中、
既存住宅に対するインスペクション(調査)を推進させていく動きは、皆さんもご存知の通りである。
その狙いの原点はあくまでも中古住宅流通の活性化にあり、世界環境への
取り組み配慮という枠組みだけでなく、日本特有の不動産価値と経年劣化に伴う
建物価値の関係性があまりにも矛盾している構造を、如何に埋め合わせながら、
かつ製造時の長期的な優良住宅供給を並行的に政策として推進させていく動きは
確かに重要であると言えよう。

しかし、この様な行政の働きかけで、将来的に日本の建物価値がどの程度市場に
評価されていくかは未知数であるが、本当にこの政策でユーザーが中古住宅を購入する際、
物件をしっかり本質的に見極められ、さらに納得のいく購買に発展していくのであろうか。
我々企業は、非常に疑問視している。

NEXT STAGEは、日頃から全国の様々な新築時の施工品質管理を実施していても、
引き渡し以降の維持管理精度によって10年も経てば劣化状況にも優劣が生じるし、
何より製造時の仕様内容や施工精度によっては、性能及び品質にまで恐ろしく差が
出てしまう現実もある。
現状のインスペクションは、どちらかと言うと表面を舐める程度のチェックにしか過ぎず、
仮に中古住宅に設計図書が存在していたとしても、まずその図書通りに施工されているか否かも
壊さない限り判らないし、さらには施工をした職人の人的裁量に応じて、
建物自体の品質が左右されている現状である。

この様な現実に、どれだけ能力のある有資格者が表面的なインスペクションをしたところで、
きっと中古住宅を購入するユーザーには、本質的な納得のいく建物価値を見極められないまま、
買わざるを得ない環境をまた業界は作り上げてしまうのであろうか。
中古住宅の本当の価値とは、製造時の品質や性能と、長期にわたる維持管理精度がしっかりと
可視化されていることが大前提になければ、何の根拠や信頼にも繋がらないのである。
今考えると、品確法の施行と共に、性能表示の義務化に近い普及を設計のみならず建設時にまで
しっかり根付かせられなかった痛手が将来的に非常に影響していると感じるのである。
現在も製造時では、長期優良住宅という施工前の仕様規定の線引きだけのクリアであり、
結果、工事中の変更も反映されない現状かつ、竣工図すら存在しない中で、
引き続きインスペクションという行為もまだまだ本質が見えないまま、形式的なチェックと何らかの延長的な
保証枠組みだけが何となく体系化してしまうのではかろうか?
グレーな中古住宅流通の付加価値創造が、同じ業界の過ちを繰り返さないよう、
本来のインスペクションという行為が業界へ果たすべき役割として、民間企業が中心となって
本気で考えていかないといけないのである。

2017年度ACU第5クール 5回目が開催されました

弊社、NEXT STAGE GROUPでは全国数万件の施工管理実績と事例をもとに、我々しかできない
独自の実践的プログラムをご用意し、現場管理者としての思考や実践的ノウハウを含め、
次世代へ期待される現場マネージャーへの育成を目指しております。

この度「現場管理者向け実践養成講座【A.C.U.】」の2017年度
第5クール 5回目が開催されました。

第5回目は、実際の建築現場に入って他社の現場を体感し、自らが今まで学んだ現場視点
(不備だけでない優良事項を含めた要因分析までの思考)を意識して現場チェックを実践していただきました。
PDCA作業の「C」の部分の実践となり、また現場での様々な気づきが「A」に繋がる要素となることを
踏まえながらの体験となりました。

これまでの会議室ではなく実現場での研修に皆さま興味いっぱいで、
図面を手に現場監督様や弊社スタッフに質問攻めでした。

     


【今後の開催日程】
第1回 2017年  1月27日(金)/ 28日(土) 開催済
第2回 2017年  2月24日(金)/ 25日(土)   開催済
第3回 2017年  3月24日(金)/ 25日(土) 開催済
第4回 2017年  4月21日(金)/ 22日(土) 開催済
第5回 2017年  5月26日(金)/ 27日(土)   開催済
第6回 2017年  6月23日(金)/ 24日(土)

【開催時間】
 金曜日:13:30~17:30
 土曜日:  9:00~12:00
 
※詳細及びお申し込みにつきましてはこちらをご覧ください。
 
事務局(お問い合わせ)
株式会社 NEXT STAGE  ACU事務局
TEL:06-6809-3333
FAX:06-6809-3332
※メールでのお問い合わせはメールフォームをご利用ください。

施工品質向上への入口

 【コメント】

NEXT STAGEの重要なサービスの一つに「標準施工手引書」があります。
「標準施工手引書」は施工品質向上の入口と位置づけており、建築基準法や瑕疵担保責任保険の法的基準と、
そこで定められていない部分を明確化させる為に、自社の施工基準を構築したものです。
自社基準を明確に定めることで、人的な裁量に委ねない一定の品質基準に適合させることが出来るようになります。

弊社では、全国のビルダー様へ標準施工手引書の構築をお手伝いさせていただいているのですが、
実際ビルダー様に訪問した際や、協力業者会を設けさせていただき、職人様へお話しさせていただいた際、
以下のような声をよく聞きます。
「『標準施工手引書』って何!?」「見たことないよ!」
「せっかくいいのあるんだから教えてくれたらいいのに」
実際に現場で作業されるのは、毎日現場で汗を流していただいている現場の職人様です。
言い換えれば、家づくりは現場の職人様に支えられているといっても過言ではありません。
「標準施工手引書」も、職人様が分かりやすいものを意識しており、基本的な施工手順が均一化すること、
職人様の経験やスキルに依存しない安定した施工判断が出来ることなどを目的としており、
職人様が「標準施工手引書」の内容を正しく把握して施工を行うことが、ビルダー様の施工品質の向上には欠かせません。

職方の意識レベル

【コメント】

基礎の鉄筋は人に例えれば、『骨』である。鉄筋の継手部分は『関節』である。
どれだけ強い骨(鉄筋)でも関節部(継手)が弱ければ、簡単に外れてしまい折れてしまいます。

上の写真の丸で囲った部分(是正前)の継手が200㎜程度の長さでした。
通常、鉄筋径の40倍の重ね長さが必要になります。
16㎜の鉄筋を仕様していた為、640㎜の継手長さを確保しますが、実際は200㎜でした。
定着と継手が非常に取りにくい場所で、更に鉄筋が組まれている状況で、
16㎜の鉄筋を曲げて加工するのは難しいと思いました。

ですが、こちらの改善後写真は見事に鉄筋を曲げて加工し、継手も十分確保出来ており
その場での最善の施工が出来たと思います。
 
改善が出来たことで、次の現場へのステップアップも図れたと思います。
失敗を恐れず、次に繰り返さないことがこの職方は出来ると感じました。

たかがボードビス。されどボードビス!

【コメント】

今回の品質を上げる為のスキルアップポイントは、
プラスターボード(石膏ボード)ビスの施工状態となります。
たかがボードビスじゃないかと思われる方もいらっしゃると思いますが、
是非とも興味を持って読んでいただければと思います。

本来ボードビスは省令準耐火の使用でない限り、そのピッチに法的な縛りは存在しません。
その省令準耐火の仕様も法令ではありません。
省令準耐火構造はフラット35の火災保険料の値引き制度の仕様となります。
つまり、何の縛りも存在しない部分だからこそ、明確な基準を設定する事が大切で、
品質向上へ入口となり得るのです。

1枚目の写真では、ビスのめり込みが深く、プラスターボードの紙が切れていたり、
材端に近すぎる為プラスターボードが割れています。
また、このような施工状態をお施主様がご覧になった際に、どの様に思われるでしょうか。
その後のクレームに繋がる恐れがあるのではないでしょうか

2枚目、3枚目の写真では、大工さんの一手間一工夫を感じることが出来ます。
こういった部分にまで気を抜かず、丁寧に丁寧に施工されていれば、
現場を見せるだけで紹介がいただけそうですね。
プラスターボード施工は超品質向上系の工程だと思います。
たかがボードビス。されどボードビス!です!