NEXT DOOR

『受注の裏側には、職人離れの危機が潜む』(3)

今月は職人の中でも、特に今の大工職についての現状をお話したい。

一軒の新築工事には、おおよそ30前後の各種業者が現場に関与していくのであるが、仕事が以前に比べて分業化が進んでいるとはいえ、やはり大工職人の仕事範囲がまだまだ多い

全体の仕事量だけの問題ではなく、大工仕事が出来るようになるまでには、他の業種に比べても経験が必要とされ、即席でやれる仕事でもない

現在では、全国の大工職人の平均給与もまだ400万円くらいにしか過ぎず、特に15歳~19歳までの10代の大工職人の総数も、全国で2000人を満たない就業状況である。
ここで着目していただきたいのが、各種業者の手間代に比べ、大工職だけが非常に不利な状況であることを忘れてはいけない。

なぜならば、現在の建築会社が求めるシビアな工期を全うするには、たくさんの道具が必要になる。スピード・精度共に、それなりに求められるなかで、10分・1時間を出来るだけ効率良く、手戻りなくやる為の知恵と工夫を自らが築いていく

仕様設計に対し、専用の工具でないと仕事が出来ないのも事実であり、例えば土台をN90の釘で留め付けるとすれば、よく使う65や75では道具が対応出来ないので、当然N90専用のインパクトが必要になる。ちなみに1台10万円以上す品でもあることは覚えておいて欲しい。また、軒天がサイディングボードであれば、当然外装専用のインパクトが必要であるし、断熱材の留め付けも同様であり、専用の道具で対応する。

だから若い大工職人には、道具を購入するお金すらなかなか現在の手間代の中で買うことが難しい現実であり、仮に全てを揃えるとすれば、150万円くらいかかるのではなかろうか。また、毎日使っていれば故障もするであろうし、また替えの道具までも対応するとなれば、最低でも毎月道具代だけで定額で最低5万円くらいはかかるであろう

特に10代の大工職は、年収300万円を満たないなかで道具代を単純に差し引きしても、若者は大工職を目指すのだろうか

住宅を供給する企業として販促第一主義も良いが、是非これから大工職人を含む多くの技術者たちに、新たなるモノづくりの醍醐味と明るい希望に旗をあげていただきたい

各現場の裁量に住宅品質が委ねられていて、クレームやコスト増に悩まれているならまずはお電話、お問い合わせフォームよりご相談ください。